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自分に合わない環境・ヒトと決別するという決意

将来についてより良い選択をするためのヒントは、目を凝らせばあちこちに落ちている。
今まで生きてきた人生の中にも当然、それはある。

大学院中退を決意することは重大な選択で、その理由や背景には様々な事情がある。
そして私はこれから、その選択をしようとしている。

小さなきっかけはいっぱいあったけど


私の出身大学の学生に、院進する人はそれなりに多い。

院試に合格するのが大変な専攻もあれば、人並みに頑張れば普通にできる専攻もある(※あくまで私の主観に基づく)

私は凡人なので、それなりに苦労してストレスも感じながら院試を乗り切って、何とか無事に院進した。

私自身、研究テーマも明確にあって、指導教官も好意的に捉えてくれていた。その他の面でも、指導教官とは関係を上手く構築できていたと思う。少なくとも、私は指導教官を信頼していたし、今でもそれは変わっていない。これからも変わらないだろう。
だけど、別の先生によって開講されていた、とある必修授業が本当に苦痛で仕方なかった。

その授業だけでなく、大学院に関する他のことに対しても、それらに専念できる余裕や精神的な体力がなくて、自分でも焦りを感じていた頃だった。

大学院を辞めたいと感じる導火線は他にもいっぱいあった。
そしてその’’とある必修授業’’で言われたことは、少し大きめな導火線のひとつだった。

何を言われたのかというと「何か授業に集中できないことでも抱えているのか」といった趣旨のことだった。

一対一で言われたのであれば「あ、はあ、実は…」みたく打ち明けたかもしれない。

でも他に学生がいる前でそれを言われて、私は激しく動揺してしまった。
他の人がいる前で話せないようなプライベートのことを私から引き出すつもりなのか、とその瞬間、感じた。

そしてその次に私が悟ったのが、その発言に非難めいた文脈があることだった。
自分の不器用さや能力の無さが原因で、目の前にいる教師をイラつかせてしまっていることは十分にわかっていた。

でも、本当に私が何かを抱えて悩んでいると教師が感じたのであれば、授業終わりとかに一対一で聞こうとするだろうと私は思った。でもそんなことはなかった。

私は、教師というのは学生の背景や抱えているものにきちんと配慮をするものだとばかり思ってきたし、今まで出会った教師は多くがそうだった。

でもこの人はそうじゃない。それを突きつけられ、私は心拍数が上がったのを感じた。

あと半年以上も、この授業を受けたら私はやられる、と思った。
しかも必修だから、この分野での修士号にこだわるのであれば、そこから逃れることはできない。


こだわりを捨てる5秒前

でも、待てよ。

私はこれから、何をする?
何をしたい?何に適性がある?

これからやりたいと考えていることは、自分の精神衛生を削るものか否か?

何の分野で、自分のキャリアを築いていくつもり?
そのためには何が必要??

この2ヶ月、それをずっと考えてきた。

いや、この2ヶ月だけでは無い。
去年からずっと考えてきたし、
何ならコロナ禍が始まってからこれらの問いに、ずっと苦しめられてきた。

私がこれからやりたい事に、この分野での修士号はあってもなくてもいいということに気づいた。

周囲の人たちに「もったいない」「あと半年なのに」「せっかくここまで来たのに」と言われるのが容易に想像できる。

でもその人たちに、私を助ける能力はないのだ。
私が大学院のことに集中できるように、資金援助してくれるわけでもなければ、私の代わりに何かをしてくれるわけでも決してない。


じゃあ、もうやめよう。


自分を苦しめていたものに向き合えなかった


その瞬間、ここ数年感じたことのないくらい、気持ちが楽になったのを実感した。
PCや重い本が何冊も詰まったリュックを下ろした時のような、あの重荷を下ろしたような感覚。

ずっと、ストレスだったんだ。

ずっと、苦しかったんだ。

そして、一番深刻な問題は「私は、幸せではなかった」という事実に気づけなかったことだった。

自分を苦しめていたものに向き合えなかった。

周囲を混乱させるのが怖くて、「結局あの人は挫折した」と思われるのが怖くて、私はここまでズルズルと重荷を引きずり続けてきた。

以前に、とある人に出会って少し話したときに「今まで結構、周りに配慮して生きてきたんですね」みたいなことを言われてハッとしたことがあったが、上記に書いた恐怖の感情に、自分主体のものは何一つないことに気づいた。

私の人生を取り戻す努力は、去年あたりから意識していたことではあったが、まだまだ実現できていなかった。

他人の感情ではなく、自分を大事にしたい。
自分を大事にできる決断であれば、それは挫折ではないと信じたい。

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