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トワイライト すれ違う男女が集う1つのバーの物語

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男女のすれ違いをショートスト―リーでつなぐ物語。
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トワイライトあとがき

トワイライトあとがき

 トワイライトは今まで書いた中で1番産みの苦しみを感じた物語だった。正直、もっと作り込めた感があって、いろいろやり直したい気もしている。でも面白かったかどうかは別にして、やりたい事をやれた、という意味で書き上げた事に満足はしている。

 元ネタは大学時代に趣味で書いた小説だ。その小説をふくらませて今回の物語にした。トワイライトを書くにあたり幾つかやりたい事があった。それらを意識した上で読み直して貰

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トワイライト⑪

トワイライト⑪

ヨウイチとタケル

 マキコがいなくなってからもう5年も経つ。ずっと探している。でもずっと見つからない。もう手がかりが無い。オサダキョウコとトワイライトのマスターとサノコウヘイと親族と、彼らには『何か手がかりがあれば連絡をください』と伝えている。警察の協力も経て失踪者一覧に載せて貰った。義理のご両親の協力も得て張り紙やチラシ撒きもした。でも結局何も進展は無かった。

 ジュンとは物件の竣工とともに

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トワイライト⑩

トワイライト⑩

ヨウイチとジュン

 あのブログにコメントをして3日目に返信があった。
『大変申し訳ありません。私には謝罪する事しか出来ません。私は奥様に関する情報をあれ以来何も持っていません。お力になれず誠に申し訳ございません。』
たったこれだけの返信だった。僕はまた自分の中のドス黒い感情が暴走しそうになったが、タバコとウイスキーでなんとかその感情を薄める事に成功した。再度、僕から返信を送る。
『お会いしてお話

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トワイライト⑨

トワイライト⑨

ヨウイチとマキコ

 マキコがおかしくなったのは3カ月くらい前からだ。みるみる痩せていって、病気じゃないか、との心配もしたのだが、それすらちゃんと取り合ってくれなかった。僕は少しでもマキコの負担を減らそうと家事をするように努力したが、マキコはどんどん上の空になり、思いつめるようになっていった。僕はどうする事も出来ず、とにかく見守るように、一緒にいて余計な事は言わず、彼女の負担になるものは出来るだけ

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トワイライト⑧

トワイライト⑧

マキコとコウヘイ 寝る前にスマホでこのブログを読むのが私の日課だった。今日も更新されている。『不妊治療に悩む旦那ブログ』と題されたブログは赤裸々に旦那目線で不妊治療について詳しく書いてある。女性の視点で書かれたものは多いけれど、男性の目線で書かれているものは珍しく自分の夫がどんな風に考えているのか理解する上での学びがあった。

 当の旦那は別室で寝入っている。明日の朝も早い。旦那には申訳ないが、朝

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トワイライト⑦

トワイライト⑦

キョウコとジュンヤ 不倫がツラい、なんていうのは誰でも知っている事だが、なぜ辛いのか、これをちゃんと語る事が出来る人がどれだけいるのだろうか。私は今、びっくりするくらいメロドラマみたいな展開の中でそんな事を考えていた。

 離婚するする詐欺。妻という女がいながら、他の若い女に手を出して恋愛関係を構築し、若いオンナには『もう妻とは離婚するから』と言いながら気を持たせ、結局離婚をしない罪。もう前科何犯

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トワイライト⑥

トワイライト⑥

ナホとユウト 想定外の出来事は起こる。ただ、得てして振り返れば何かしら前兆があったり、思い当たる節があったりするものだ。しかし今回ばかりは何の予兆も無し。圧倒的事故。全く予見が出来なかった。誰が今年40になる女が19の男の子に酒で潰され、抱かれると予測できるのか。

 タカシとトワイライトで飲んでいた記憶は残ってる。チームビルディングについて悩んでる私に付き合って貰った。9時に入ってまったり1

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トワイライト⑤

トワイライト⑤

タカシとナホ またやっちまった。1番やっちゃいけない相手だと思っていたのに。1年半もの間ずっと良い上司で居続けてきたのに。エダムラの出方次第では会社辞めなきゃいけないかもしんねー。それどころか警察沙汰、裁判沙汰もあり得る。記憶は曖昧だが、間違いなくキスをした感触が残ってる。その後殴られた感触も。そのままぶっ倒れて寝てたんだろう。会社で起きたらもう彼女はいなかった。
 新しい案件を仕入れる事が出来た

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トワイライト④

トワイライト④

ジュンとヨウイチ 好きにならないように努力していたにも関わらず、好きになってしまった。こんな恋は運命の恋とは言えないのだろうか。初めて見た時にもう『あ、あぶないな』と思った。雰囲気も声もルックスも、その全てが自分の理想とほぼ一致していたからだ。唯一違った点が左手薬指に光る指輪の存在だった。

 これまでたかだか26年の人生だったが、幸いな事に略奪愛をした事も無く、された事も無かった。そうなりそうだ

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トワイライト③

トワイライト③

リサとユウスケ  時間は15時。ここから120分コースで今日の仕事は上がり。最後の客がユウスケで良かった。ルックスは若ぶってる40手前の広告会社管理職。推定年収600万。髪形がちょっとホストっぽいのがキモいけど、とにかく優しくて気がいい。ユウスケなら気心は知れているし、楽勝だ。でもユウスケがアタシを指名するのたぶんこの1ヶ月で5回目くらいなんだけど、お金は大丈夫なんだろうか?風俗に月に10万以上

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トワイライト②

トワイライト②

モモコとレイナ

 私はレズビアンだ。何度も何度も否定して来たけれど、今度の事件でまざまざと思い知らされた。レイナの事が好き。気になって仕方がない。レイナの側に行って看病してあげたい。精神的な部分も、性欲の部分も、私はレイナを求めている。

 どうしてこんな事になってしまったのだろう?レイナはあんなにコウヘイさんの事を好きだったのに。レイナが可哀想だ。レイナの事を癒してあげたい。
 
 『レイナが

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トワイライト①

トワイライト①

プロローグ

 ここはBARトワイライト。混沌の坩堝渋谷を松濤方面に歩いて15分、喧騒を離れた場所にある知る人ぞ知る会員制のバーである。入会条件は2つ。

①誰かの紹介である事
②人生に悩みを抱えている事

 この店は変わった営業時間をしていて『日の入り前〜日の出後』までとなっている。営業時間に合わせて店名が『トワイライト』なのか、店名が『トワイライト』だからこの営業時間に決まったのか、それはわか

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