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徒手療法家のためのファシア考察

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ファシアについて徒手療法家が知っておくべき情報を随時更新していきます。またファシアに限らず徒手療法に関する事柄も随時追加していきます。
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#ストレッチ

痛みについて勉強しなおす(5)---椎間板 (disk) 改め「ラフト(LAFTs)」---

前回の更新からだいぶ日が空いてしまいましたが、引き続きDavid ButlerとLorimer Moselyの共著「Explain pain」からの自分用のノートというか、まとめです。今回は椎間板(disk)についてです。 腰椎椎間板ヘルニアと腰痛とは因果関係がないということはこのブログの読者はほとんど知っていると思いますが、もっと詳しく椎間板(disk)をみていくことになります。(注:最初の公開時に書いたこの部分はあえてのこしておきます) DavidとLorimerは著

ファシアとその繋がり(4)---脳脊髄液と体の繋がり---

このブログは2015年の夏頃、「インテグラル・アナトミー」シリーズの字幕を編集していた時に作成しました。その作業中、新たな発見があったり、人体の神秘に感動したりして、楽しみながらやっていたのを思い出します。今回はこのVol 3の編集中に「なるほど!」と思う箇所があり、改めてGil先生に質問し確認した箇所を皆さんと共有したいと思います。(今回、なぜかブログ編集中に以下の写真が小さく出てしまっているため、詳しくは「インテグラルアナトミー Vol3 Part 2」を参照しながら、読

ファシアとその繋がり(3)---ITB 腸脛靭帯とHTL!---

今回は、ITB(腸脛靭帯)を紹介します。今回のブログは私の解剖実習の先生でもあり、よき友でもあるJulian Baker氏の記事(←もうネット上では削除されてしまったようです)とJulianの素晴らしい著作 [Bowen unravelled] Lotus publishingを参照に書いています。 以前も紹介したこの[Bowen unravelled]は是非日本語訳してほしい本の一つです。(私が出版社に問合せたところ、ある特定の翻訳者しか翻訳させない、とのことで断られま

プロセス・アプローチ③---非外傷性の骨格筋痛について---

前回紹介したEyal Lederman先生の「プロセス・アプローチ」では、症状を「修復期(Repair)」・「適応期(Adaptation)」・「症状の緩和期(Alleviation of symptoms)」に分け、そしてその状態に応じた適切な処置を行うことが重要、とのことでした。 これはLederman先生の講習会に出席した時、他の生徒が質問したことでもありますが、この3つの症状の状態を考えるうえで、いわゆる非外傷性の慢性の骨格筋痛をどのように考え、そしてどのような処置

プロセス・アプローチ②---講習会の感想---

週末にEyal Lederman先生のプロセス・アプローチの講習会に参加してきました。(*2016年5月のことです) プロセス・アプローチについての詳細は前回のブログで紹介したとおりですが、それに加え、患者さんの回復過程が、修復期なのか、適応期なのか、あるいは症状の緩和期なのか?をいろいろなケースを交えて皆と議論し、また、どのように対応(治療)していくのか?とうのを、実技を交えて紹介してくれました。 まずはじめに、以前ブログで紹介した「Biological reserve

プロセス・アプローチ①---症状の状態に合わせた最適なアプローチ---

前回のブログの続きで、Eyal Lederman先生の論文「a process approach in manual and physical therapies: beyond the structural model」 の詳細を紹介します。Lederman先生から日本語訳の了解も得ましたので、出来る限り詳しく紹介し、また私の考察も加えていきます。(全訳ではありません。要点を出来る限り詳しく紹介していきます) この論文で述べられている構造主義的アプローチとは、前回紹介した

PSBモデルからの脱却①---体の歪みと痛みは関係ない!!!---

今回のテーマは、今までにもチラホラ書いてきた「骨格のバランスや筋力の不均衡などが骨格筋の痛みを引き起こすというエビデンスはない」ということを取り上げます。 元ネタはEyal Lederman先生の[The fall of the postual-structural-biomechanical (PSB) model in manual and physical therapies: Exemplified by lower back] です。(クリックをするとリンク先に飛

ファシアと癌(1)---ファシアと鍼と徒手療法---

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ストレッチの是非(7)---ストレッチが癌治療に有効?---

先日、ストレッチの効果の一つとして癌治療に有効か?というのが発表されました。まだまだ研究途中のようですが、ある程度の方向性が見えてきたとのことで、その論文(リンク)の内容を詳しく紹介していきます。 まず論文の概略と結論から書くと 「Gentle (やさしい)ストレッチを毎日10分すると癌細胞を減らせる」 です。ではGentle(やさしい)の定義は?そしてどんなストレッチを10分すればいいのか?などいろいろな疑問が浮かんでくると思いますので、詳細を記していきます。

ストレッチの是非(6)---Dr. Helene Langevinの動画紹介---

先日見つけたDr. Helene LangevinのThe science of stretchのダイジェストを紹介します。 https://vimeo.com/241932663 内容のほとんどは過去にブログで紹介したものですが、Helene Langevinのストレッチの考え方がわかるのとともに、それに対する私の意見もあるので、紹介します・”(注)”とあるのが私の意見です。

ストレッチの是非(5)---ストレッチの真実・定義---

今回はストレッチを考える上で、非常に重要な事柄をとても丁寧にわかりやすく説明しているDoug Richards氏の講義「Doug Richards on stretching: the truth」の内容を紹介します。(本来ならばこれを一番最初に持ってくるほうが良かったのですが・・・)リンクをクリックすれば、動画をダウンロードできるサイトに飛びますので、英語で理解できる人はそれを参照してみて下さい。 1,まずはストレッチのメカニズムを説明する上での言葉の定義から。

ストレッチの是非(4)---前回の補足とROMの種類---

今回は、次に書く予定の「ストレッチの真実」、つまり「ストレッチについての総括」の前に、前回のブログ「ストレッチの是非(3)---受動的手技、他動的ストレッチの効果は?---」を書いた後で浮かんだ私の疑問に対してのLederman先生のお答えと、もうひとつのストレッチを考える上で重要な事柄、「ROMとは?」をLederman先生の著書「Functional stretching」から紹介していきます。まず私が前回のブログを書いた後に浮かんだ疑問ですが 「METやPNFが効果が

ストレッチの是非(3)---受動的手技、他動的ストレッチの効果は?---

次にストレッチを考える上で、施術者が患者に行う「受動的な」ストレッチが、どのように患者さんに影響するのか、またその受動的なストレッチと類似というか、延長のような手技であるPNFやMETもどのように体に影響するのかを考え、改めてストレッチの臨床的な意義を考えていくことにします。 そもそも論として、なぜ我々が臨床で患者にストレッチ、またはストレッチに類似のテクニック(MET, PNF, PIRなど)をするのかというと、それらのテクニックを用いて患者さんの痛みや不快感をとって、日

ストレッチの是非(2)ー②--- 治療家が知っておくべき生理学的事柄まとめ---

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