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徒手療法家のためのファシア考察

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ファシアについて徒手療法家が知っておくべき情報を随時更新していきます。またファシアに限らず徒手療法に関する事柄も随時追加していきます。
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#肩こり

痛みについて勉強しなおす(24)---「Orthopedic Physical Examination Tests」の簡単なレビュー---

今回は痛みの治療に関係のある話題というところで「理学テスト」(整形外科的テスト」の本について簡単にレビューします。というのも、おそらくですが、私の調べた限りこの本は日本語に翻訳されていないので、日本人治療家達が情弱にならないよう紹介するのもいとおかし、かと思いまして(笑) ところで私のブログ読者の徒手療法家の方々は普段の臨床で「理学テスト」を行なっているでしょうか。例えば有名どころだとSLRテストとかアドソン、ライトテストなどなど。 私はもちろん専門学校で勉強しましたし、

2022年にやってきたこと、考えてきたこと総まとめ(追記:リンク追加)

ブログ読者の方々、2022年もありがとうございました。本当なら、今年はあまり「勉強」してこなかったので、毎年恒例の総まとめはしないつもりでしたが、昨晩ある動画を見ていて思ったことがあったのでブログにすることにしました。 2022年は昨年に引き続き、エビデンスベースの考え方、治療法を常にチェックしてきましたが、8月下旬に思い立って英検1級の勉強を始め、今は世界で一番難しい英語の試験とされるケンブリッジ英検Proficiency (C2)の勉強をしているので、理学療法や生理学の

痛みについて勉強しなおす(21)---Prognosis(予後)を再認識する---

最近はこのブログの更新が滞りがちですが、あいも変わらず暇な時間を見つけてはBen CormacとAdam Meakinsの「Better clinician project」(リンク)を見て勉強したり、painscience.comの記事を読んだり、physio networkのブログやダイジェスト(リンク)を読んだりしています。 それらはすべてエビデンスベースの治療やアセスメントの情報なのですが、それらで勉強していくうちに、私はずっとPrognosis(予後)について見過

ファシアとは(25)---ファシア最新情報?(笑)---

先週発売のイギリスの雑誌「New scientist」紙に「fascia」のことが掲載されていて早速購入したので、ブログ読者の方々にも紹介します。 記事まるごと翻訳するわけにはいかないので、個人的に要点となるところを紹介していくことにします。もし興味のある方がいたらぜひ購入し、読んでみてください。 ちなみに★マークは私の注釈です。過去のブログで全部説明してある事柄です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・今まで脂肪組織や膜組織だとして解剖するとき取

痛みについて勉強しなおす(0) ---患者さんも治療家も知っていなきゃいけない事!---

「痛みについて勉強しなおす」シリーズでは痛みがどのようにして起こるかということをいろいろな本や論文を元に書いてきました。 たしかにそれらは非常に重要な事柄であることは確かなのですが、それと共に、そしてそれ以前に、我々治療家が普段患者さんの前で指摘すべき事であるのに今まで私もあまり意識していなく、積極的にアドバイスしてこなかった事柄があります。それは本来ならば”当たり前すぎる事柄”であるはずなので、今回は「痛みについて勉強しなおす」シリーズのゼロ(0)として書いていきます。

痛みについて勉強しなおす(15)---小ネタ集(2)---

今回も引き続き、私が去年からずっと勉強させていただいているpainscience.comからのブログやe-bookからの小ネタ集です。私自身はこうやって一度読んだものをまとめて、後日もう一度目を通すと改めて「あ~、なるほど!」と思うのですが、一度も元の文章を読んだことのない人にはあまり響かないのでしょうか?前回も今回もすごい情報満載だと思うのですが・・・。 ところでこの記事を書いている最中に「徒手療法批判への検証」(最近言われ始めた世界の理学療法界での徒手療法批判への批判)

痛みについて勉強しなおす(14)---小ネタ集(1)---

もしかしたらこのブログの値段設定が高すぎて、まだ購入してはいないけど気にはなっている人がいるとしたら、ぶっちゃけますと(笑)、このブログを購入してくださった方々は全部で30人ちょっとです。しかもそのほとんどはこのnote.comに移行して有料化した直後の方々なので、おそらくそれまで無料で公開していた内容へのご祝儀的な投げ銭だったと思います。多分アクセス数、記事へのスキボタンの押され方から想像すると、現在の「アクティブな読者」(このブログを今でも熟読しているであろう読者)は3〜

最近は・・・

ブログ読者の方々、お久しぶりです。 ロンドンでは4月12日からマッサージ業などのいわゆる濃厚接触業の再開が認められ、私もありがたいことにバタバタしております。 これまでのブログでちらほら書いてきたように、「徒手療法家にとって臨床で重要なファシアに関する事柄」はこれまでに網羅してきたつもりなので、新たなブログネタは今の所ないです。どちらかというと、ここ2年くらいは臨床上「もっと大きな目」で見るようなブログの内容になっていて、未だに「ファシア!ファシア!」「筋膜がー!筋膜がー

SBMを勉強してみた Part 11(完) ー私が思ったこと、感じたことー

過去10回にわたって紹介した「SBM(science-based medicine)について」のレクチャーは、私がエビデンスベースで鍼灸マッサージ、骨格筋痛について考えるようになってからの多くの疑問に答えてくれました。そしてますます「エビデンスと科学に基づいたマッサージ」の普及(「マッサージを見直そうキャンペーン)」に励みたいとも思いました。とはいえ、あいも変わらず「◯◯が治る」といって鍼を打ったり、筋硬結を”緩めたり”、関節を矯正していると”主張している”人達を私は否定はし

SBMを勉強してみた Part 10 メディアと政治とSBM

SBMについてのレクチャーは今回の10回目で最後になります。今回はメディアと政治とインチキ医学(科学)の関わりについてです。科学と医学とは何か?というのは今までのレクチャーでわかったような気になりましたが、今回挙げられた具体例なんかを改めて聞くと(知ると)、いかに我々は普段からメディアや政治家にインチキ医学を刷り込まれてきたかがわかると思います。そしてメディア(の記者達)や政治家達が、いかに科学を知らないかもわかると思います。 内容自体はアメリカでの代替療法への規制強化を訴

SBMを勉強してみた Part 9 リサーチの落とし穴

今回はリサーチ(論文・研究)の落とし穴についてです。この回は超重要な回なので、普段「エビデンスが〜」とか「◯◯は証明されているから◯◯に効く!」的なことを謳って、患者さんに説明している人たちは必見です。それと、何かが効く!とネットや雑誌で紹介されたら、すぐに治療院の壁にそれを貼ったり、自分のウェブサイトやSNSアカウントでシェアする人たちも必見です。果たして自分がやっていることが正しいのかどうかを省みるいい機会になると思います。 今回は内容が濃く、読むのが大変かもしれないの

SBMを勉強してみた Part 8 他の色々な代替療法について

レクチャー3〜7では代替療法(CAM=Complimentary and Alternative Medicine)中でも特に有名な5つの治療法について述べられていました。このレクチャー8では、その他のCAMについてになります。今回は科学で否定されても何度も何度も蘇ってくるゾンビ的健康法として7つ紹介されています。その中でデトックスなんかは大嘘だと知っている人は多いと思います。以前一緒に働いていたビューティシャンが「デトックスマッサージ」とか言って宣伝していたので、私が「デト

SBMを勉強してみた Part 5 ホメオパシーについて

今回はインチキ医学界に燦然と輝く、そしてトップ中のトップ(笑)のホメオパシーについてです。アメリカとヨーロッパではすごく知られた治療法ですが、日本ではあまり知られていない治療法ではないでしょうか?私はPart 2で書いたように、鍼灸学生の時にアンドリュー・ワイルの本を読み”代替医療”全般に興味を持っていたので、ずっと前から知っていたし、いつかは勉強してみたいと思っていました。しかもその時働いていたクリニックのある医師がホメオパシーに傾倒しており、その後独立されて日本で初めて医

SBMを勉強してみた Part 4 鍼について

お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません(笑)。いよいよこのブログ読者待望の(笑)SBM的視点から見た鍼についてですが、エビデンスがあるかないか云々以前に、鍼の歴史の話が面白かったです。たしか鍼灸の国家試験の時に勉強したはずですが、知らないことだらけでした(笑)。誰か「真の」鍼の歴史について知っている人がいたら、このレクチャーで言われていることが本当かどうか、教えてほしいです。もしこのレクチャーで言われている鍼の歴史が本当なら、日本の鍼灸師のほとんどは知らないのでは?