ファシアとは(25)---ファシア最新情報?(笑)---

先週発売のイギリスの雑誌「New scientist」紙に「fascia」のことが掲載されていて早速購入したので、ブログ読者の方々にも紹介します。

記事まるごと翻訳するわけにはいかないので、個人的に要点となるところを紹介していくことにします。もし興味のある方がいたらぜひ購入し、読んでみてください。

ちなみに★マークは私の注釈です。過去のブログで全部説明してある事柄です。

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・今まで脂肪組織や膜組織だとして解剖するとき取り除いていた組織(膜)が重要なのでは?と、この10数年認識されはじめた

・その膜(Fascia)は筋肉と筋肉、筋肉と内臓などをつなげて私達の体を一つにしている組織だ

・そのファシアは頑丈なコラーゲン線維と柔軟なエラスチン線維で成り立つ

・そのファシアは疎性結合組織と密性結合組織にわけられる

・ファシア同士が滑るようになっており、その”潤滑油”は主にヒルアロン酸とプロテグリカン(クッションの役目を果たす)だ

・そのファシア線維と潤滑油は線維芽細胞とfasciacytesによって分泌される

・2000年代になってイタリアのLuigi Steccoとその娘のCarla Steccoらがファシアの研究を始めている。しかし彼らの提唱するFascial manipulationが痛みの治療に役立つというエビデンスはまだない(★と記事には書いてありました(笑)

・Deep fascia(深層ファシア)は固有受容を司り、体の位置を察知し、また侵害受容器の役割、つまり痛みを感じる役割もある

・大人の体のファシアは約25億もの神経終末を含み、皮膚よりも少し多いぐらいだ

・なのでファシアを新たな体の”器官”として捉えようという動きがある

・ボランティア対象に皮膚、筋肉、ファシアに注射したところ、皮膚と筋肉への注射はその限局した痛みしか発生しなかったが、ファシアへの注射は痛みが色々な所に広がった。もしかしたら線維性筋痛症候群のような体の痛みが広がるケースはファシアが原因なのかもしれない(★この説は怪しいです(笑)

・もしかしたら運動後の筋痛(DOMS)も筋肉で起こっているのではなく、ファシアで起こっているのかもしれない(★DOMSの発生機序はまだ未解明です)

・ファシアでの炎症が続いてしまうと、より炎症に反応しがちになってしまう。そこからファシアの性質を理解することで数々の慢性痛の原因の説明になるかもしれないと言われ始めた(★痛みの科学によるとファシアだけで慢性痛は説明できません)

・胸腰筋膜は腕や下肢の筋肉とファシアを介して繋がっているので、腰痛は腕や下肢が原因なのかもしれない(★この説も怪しいし、エビデンスはありません(笑)

・Helene Langevinらは腰痛患者の胸腰筋膜が健康な人に比べて20%分厚いことを発見した(★だから何?です)

・このHelene Langevinらの研究で分厚くなってしまった胸腰筋膜ではファシア同士の滑りが悪くなっており、癒着のようなものがみられたと「豚」の研究でわかった(★豚の研究って・・・笑)

・ファシアがなぜ”硬く(stiff)”になるのかの研究で、Robert Schleipは交感神経系が作用した結果ではないかとの説を唱えている。つまり、交感神経が活性化し、ファシアの中の線維芽細胞が筋線維芽細胞に変化することによりファシアが収縮するのではないかと唱えている(★でもファシアの”硬さ”と痛みとの因果関係は証明されていません)

・この過程でRobert Schleipはストレス→アドレナリン上昇→TGF-βという炎症物質が増加→ファシアに貯蓄される→線維芽細胞がTGF-βを吸収し筋線維芽細胞になり、ファシアが”硬く”なる、と推測している。なのでストレス(アドレナリン)がファシアが硬くなる原因ではないか?とRobert

・Langevineらは豚の研究でストレッチを1日2回5分ずつ行うと炎症の範囲が狭まるばかりでなく、抗炎症作用のある物質が放出されると報告(★豚の研究です(笑)

・また2021年に行われたパイロットスタディで健康な人に1時間のストレッチをさせたらサイトカインが放出されることがわかった。つまりストレッチは抗炎症作用があるということの説がある(★1時間のストレッチって!(笑)。それに慢性痛が必ずしも炎症が起こっているとは限りません。慢性痛の治療を考える上でそもそもが間違っています)

・マッサージがストレッチのような抗炎症作用をもたらすかは不明だし、ファシアの変化(伸びる、リリース)されるかは不明だ(★と記事で書かれていました(笑)

・まだまだ解明されていないことが多いので、マッサージのような徒手療法がファシアに影響を与えるかどうかはわからない(★徒手療法家にとっては涙(笑)


「New scientist」紙はゴシップ誌とは違い、”そこそこ”信頼できる雑誌という認識でずっといましたが、今ぐぐってみたら科学に強い人達からするとそうでもないようです(笑)

今回のファシアの記事にしても、ファシアのことを知っている人が読めば「だから何?」的な事しか書いていないとわかりました。

実は私は科学系の話題が好きでこの「New Scientist」紙は時々読んでいましたが、これからはあまり真剣に読まない方がいいのかも?と思いました。


あと過去のブログ「ファシアとは」シリーズで書いてきた内容ばっかりだったので、このブログを読んで「なるほど〜!」と思ってしまった方はまた目を通すことをおすすめします。


あと有料読者でない方で未だにSNSで「ファシアが〜!」「筋膜が〜!」「リリースだ〜!」とか言っている方々も過去のブログをお読みになるのをおすすめします。


お前なんかに5000円も払いたくないわい!って?


だったら英語でggrks!(笑)

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