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【持続可能な農を考える】フィールデイズ・イン・ジャパンが再開します

お知らせ

2022年9月17日(土)に、農業と食とエコロジーのイベント、第17回フィールデイズ・イン・ジャパンが開催されます。
詳しくは創地農業21のこちらの投稿をご覧ください↓

第17回フィールデイズインジャパン 『グラスフェッドってなぁに?』 フィールデイズ...

Posted by 創地農業21 on Monday, September 12, 2022

感染症の影響から、実に3年ぶりの開催となります。

これまでは当別町のファームエイジ本社と恵庭市のえこりん村を隔年で会場にしていたのですが、今年は心機一転、道の駅とうべつの外の広場をお借りして行うことになりました。

今年は「グラスフェッドを食べる」ことをテーマとし、グラスフェッド食材を用いたチーズバーガーセットを特別に販売していただきます。
こだわりのファームマーケットには、十勝しんむら牧場、しあわせチーズ工房、牧家など、知っている人が見ればその豪華さに驚くようなラインナップで出店いただいています。

これまでのフィールデイズを知っている方も、たまたま道の駅にふらっと立ち寄る方も、どちらにも新鮮にお楽しみいただけるイベントになっているかと思います。ぜひ気軽に足をお運びください。


今回は、残念ながらイベント開催の叶わなかった2021年度のフィールデイズ実行委員会で作成した冊子、「グラスフェッドってなぁに?」の掲載文を一部抜粋してご紹介しようと思います。

(グラスフェッド=牧草飼育 のこと。飼育の手法としての意味に加え、牧草を食べて育った動物、それらの生産物などの意味を含む場合もある)



動物・人・地球
みんなに優しいグラスフェッド

動物に優しい

ごく当たり前のことですが、草食動物は本来、草を食べて育ちます。
放牧を行うと、動物たちはのびのびと草地を歩き回りながら、自分が食べたいだけの量の草をおいしく食べることができます。
動物にとってストレスの少ないこういった環境を用意することは、「アニマルウェルフェア(動物福祉)」の観点から、近年とても重要視されています。

人に優しい

グラスフェッドの動物からとれる肉や乳は、穀物飼料で育ったものに比べて、不飽和脂肪酸を多く含んでいます
不飽和脂肪酸は人間の体内ではつくることができない成分で、血液中のLDLコレステロールを下げるはたらきを持っています。
ついついバランスが崩れがちな現代の食卓ですから、身近なものから手軽にヘルシーに置き換えられるというのは、大きな利点と言えるでしょう。

地球に優しい

日本で現在多く使われている穀物飼料は、主にアメリカからの輸入品です。
穀物をまとめて生産し地球の裏側まで運ぶには、大量の地下水とエネルギーが使われます。
SDGs(持続可能な開発目標)が示されている今、これらの資源の消費を抑えるには、身近な草を有効に活用することが必要です。


持続可能のキーワードは
「資源の活用」と「自然循環」

持続可能な農業を行うためには、「生産者の経営を成り立たせる」「豊かな自然環境を維持する」という二つの要素を無理なく両立させることが大切です。
そこで解決策となるのがグラスフェッド。適切に管理された牧草は高い栄養価を持ち、価格が高騰する輸入穀物に代わって十分な飼料になります。
また放牧によって動物が歩き回ると土は適度に耕され、干ばつにも水害にも強い、環境の変化に適応できる土地づくりが進みます。

放牧された動物は糞を落とし、それが微生物に分解されると天然の肥料となって土へ入ります。豊かな土からはおいしい草が生まれ、それを動物が食べて、また糞をして……
この循環の仕組みこそが、自然の恵みを余すところなく活用する究極の方法です。


放牧=放し飼い? 私たちが本当に目指すもの

放牧はまだ誤解されたまま

昔は日本でも放牧が当たり前でした。しかし、高カロリーな穀物飼料の登場により、手軽に肉や乳の量を増やして利益を上げられる、ということで舎飼いが普及。放牧をする生産者は次第に減ってしまいました。

従来の日本の放牧の問題点としては、
・草地の管理が適切に行われず、動物が肉や乳を十分に生産できるほどの栄養を草から摂ることができない
・どのくらいの量の草からどのくらいの生産物が得られ、それによりどのくらいの利益が上がっているか、という数字のデータが活用されていない
ということが挙げられます。

ニュージーランドなどでは草の研究が進んでおり、合理的に放牧を行う基盤が整っていますが、そのような知識や手法はまだまだ日本では普及していません。
残念ながら、消化しにくく栄養の少ない草を食べさせるような放牧方法が一般的となっているのも事実です。

しかし今、真に目指すべきなのは、土・草・牛・微生物のかかわり合いを大切にした、グラスフェッドだけで経営が成り立つような、牛がおいしい草を食べて幸せに過ごせるような、そういった一歩進んだ農業だと私たちは考えています。



冊子には、以上の序文に加え、グラスフェッド製品とそうでない製品の成分比較表、北海道産の放牧グルメ、特別なレシピなどが掲載されています。
放牧やグラスフェッドを取り巻く現在の環境について、とにかく消費者の方々に知っていただきたいことのすべてを詰め込んだ一冊です。

フィールデイズ会場でもこの冊子は配布されますので、当日お越しの方はぜひ目を通していただければ幸いです。


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