雨あがり、冬夜街
濡れたアスファルトがネオンに照らされ
隙間に溜まった水はキラリと光る。
すーーっと大きく息を吸ってみた。
キンキンに冷えた気体が肺へと入り込んで
脳が目を覚ます。
塵が落ちてくれたせいか
空気が新鮮で美味しい。
賑やかな声のする狭い路地に入ると
小さなお店が立ち並び、
人が沢山愚痴を言って、笑って、泣いていた。
煌びやかな場所ではないけれど、
人と人が慰め合って笑い合って
それぞれの日常を生きている。
日が陰り、宵闇の中
人の吐き出す言葉の塊は
宙へと舞い上がり
エネルギーとなって
明日を照らし
活力を生み出す。
それは
火花の華麗さを映し出すような
とても美しい光景だった。
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