【超・超・短編小説】おやすみジプシー
やあやあ
おれは
おやすみジプシー
おやすみ
と
夜毎しんで
おはよう
と
毎朝うまれる
おやすみも おはようも 天下の独り言
しぬのも毎日だと
プロ
椰子の木の下で
一分間逆立ちすればストン
夢は 黄泉の国
逆行して その果ての朝に
ひとであるとはかぎらない
パンダか毛虫か タンスかスパナか
夜中トイレに起きたときは
決して鏡をみてはいけません
昼寝の場合は しにません
しんだりうまれたりまあまあ忙しくて疲れるけれど
そのかわり
成長という名の老いからは放たれて
積み重ねの塔で囚われの身になることもない
ともだちは毎日できるけど毎日永遠のさようなら
前世のできごとは
眼をぱちぱちすれば絶妙な残像
やあやあ
おれは
おやすみジプシー
おやすみ
ジャムにされたスグリの実
おはよう
そうか 今朝は 臨月の鮭
育ててはやれないがあしからず
毎日が刺激的
学校には行ってない
お金には意味がない
戸籍なんかあるわけない
だけど時々
知らないのに懐かしい歌を歌っている
(おしまい)
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