【追悼コラム】サックスプレイヤー古谷充さん

―優しい語り口と甘美な音色 温厚な人柄がそのまま音色となっていた

関西のジャズ界を牽引された古谷充(ふるや・たかし)さんが逝去なされた。

ライブでは演奏はもちろんのこと、
優しい語り口のMCをファンは心待ちにしていた。

サックス演奏がメインだが、興に乗ってくるとヴォーカルを披露。
その美声でもファンを楽しませた。

また、後進の育成にも熱心で、多くのジャズメンを育て上げた。
むかし、祖母と一緒に赴いた古谷さんのライブでこんなことがあった。

「彼はものすごい才能の持ち主です。これから絶対有名になりますよ。」
そうして紹介されたのが松永貴志さん。まだあまり知られていなかったが、あれよあれよという間にビックネームへなっていった。

お仕事柄、間違いなく一般人よりも肺は丈夫なはずである。
肺炎で亡くなられたことに、何ともやるせない想いに駆られる。

年齢を重ねると、肺炎への対策が必須であることを
古谷さんが身をもって教えて下さったのだと思うほかない。

筆者には楽器を演奏する能力が微塵もない。

だからこそ、選び考え抜き、言葉でレクイエムを奏でた。
もちろん、古谷さんには及ばないが、美しい調べとなっていただろうか。

古谷さんへ心からお悔やみを申し上げ、安穏を念願する。



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