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【ニュースコラム】リンドウといえば…

―だから編集手帳はやめられない

読売新聞の看板コラム、毎朝一面に掲載される編集手帳。正直なところ、うーん…なときもある。ただ、ミート率は高いと思う。

時折、場外ホームラン級がある。今日の編集手帳がそれだった。

リンドウの根は苦い味がするらしい。証拠が漢字にある。【竜胆】。健胃薬にした根の苦さを、中国で竜の肝に例えてこう書いた◆一説に、それが日本に伝わり、リュウタンがリンドウに変化したといわれる。初夏から晩秋にかけて深い青色の花を咲かせるリンドウの写真を、きのう夕刊(東京版)に見た。ふしぎなニュースである。植物一般が緑の葉っぱで行う光合成を、リンドウは花びらでも行うことがわかったという

このあとも美しい文章が続く。編集手帳が言うニュースとは、こちらである。

公益財団法人・岩手生物工学研究センターが、リンドウの花びらが光合成をしていることを発見したそうである。花びらにある緑色の斑点に、葉緑体が含まれていることが要因であるとのこと。

竜の肝ほど苦いという例えが面白い。小さく可憐な花の姿からは、想像できない名付けである。

また、緑色の斑点が少ないものを選抜して育てられてきたが、その斑点こそが、花を長持ちさせるエネルギーになっていたかも知れないというのである。

リンドウといえば…例えば、ゲーム好きな人なら、三国無双シリーズの超雲が使用する武器をイメージする方もいるだろう。

歴史好きな人なら…やはり、吉川英治さんになるであろう。吉川さんが愛した花として、講談社の吉川英治歴史時代文庫の端には、必ずリンドウの花が描かれている。

吉川さんは、この小さくとも、濃い青が存在感を示す可憐な花に、どんな思いを託していたのだろう。

吉川さんの息子さんである、吉川英明さんが父親のことを語る本を出版している。

これらの本から、それを探ってみたいと思う。読まなくてはならない本、読みたい本が山積していて、まことに情けない。

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