【パッチワーク書評】大岡信著『百人一首』第73首 前中納言匡房
―稀代の俊英が詠めば、戯れも見事な和歌となる
昨日のnoteでは、大江匡房の言葉を取り上げた。彼が詠んだ歌は、藤原定家により『百人一首』にも選ばれる。
詩人で評論家の大岡信さんが、『百人一首』について一首ごとに、独自の訳および、和歌が詠まれた背景や文法、人物などについてバランスよく記載した解説が付されている。新聞記者出身の大岡さんらしく、その解説はわかりやすく簡潔である。
友人宅で酒盛りをしながら、この和歌は詠まれたそうである。
高砂の尾の上の 桜咲きにけり
外山の霞