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胸の機能

彼と出会う前の私は、女性としての胸を全く活用していなかった。
彼とセックスするようになって、胸を見るととっても嬉しそうにしてくれるのが興味深くて、最初は「赤ちゃんみたいね」と心無いことを言ってしまっていた。

どうやら胸が好きな男性は多いらしいと気づき、それは気の毒な一言だったなぁと思って、今は何も言わずに喜んでいる彼をみて幸せを噛み締めることにした。

病院で働いていたので、乳がんを患う女性が多いことを潜在的には知っていた。
しかし私は近親者に乳がんの既往歴がある人がおらず、どことなく他人事と思っていたのかもしれない。

ある年の健康診断で、何気なくマンモグラフィー(乳房X線検査)をオプションとして選択した。 「精密検査が必要、瘤がある」という結果を見たけどそのまま放置すること数ヶ月。かかりつけ医の先生に「精密検査しておくべき」というアドバイスをいただいて専門のクリニックへ

予約日の翌日から彼がいる国に仕事も兼ねて行く予定。もしも結果が悪ければ、仕事や彼と会うどころではないかもしれない。検査日までは全く落ち着かない日々を過ごした。

幸いなことに、受診した当日に「今のところ異常なし」という結果をもらうことができて無事に彼に会いに行くこともできた。

もしも手術を受けるということになったら、その前に悪性だという結果を持って彼に会いに行っていたらどうなっていたんだろうか?

乳がんの手術をするからと言って彼がすぐに離れていくとは思わないけど、私の方がその胸を見られたくなくて、彼のとの心の距離を取ることになったかもしれない。ただでさえも物理的距離が遠いので、ご縁は終わるかもしれない。

とても思いやりの深い人だけど、女性にとっての胸の大切さをどこまでわかってくれるかな?そもそもあんなに胸が好きな人なので、ガッカリするのが目に見えていてとてもいえないかもしれない。

胸は女性としてのアイデンティティとはよく言われるけど、それって自分単体だけではなく、セックスパートナーとの関係性において定義されるアイデンティティなんだなぁと実感。

周囲に乳がんを患ったことがある人もいて「乳がんじゃなかった!」と単純に喜ぶ気にもなれない。

一つ言えることは、不安に直面して自分や自分の身体、そして身体と心の関係を考えることになったということ。


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