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ぬいぐるみに癒される~フワフワとモコモコ~


■はじめに


今治タオル。

ではなく、安いセール品のタオル。
モコモコしたその表面に顔を埋めながら、一日の疲れを落とす。

そこでふと思った。
「なぜ、このコットンだとかリネンだとかの毛羽立ちで癒されるのだろうか?

毛布に顔を埋めて癒される人はいるだろうが、鉄板に顔をこすりつけて「わぁー!癒される~」と言っている人を見たことがあるだろうか。

我々の祖先が全身剛毛だった名残だろうか。
剛毛同士のコミュニケーションにより、相手の剛毛に触れる事で安心出来ていたからだろうか。

それとも人類として生活していく中で、「動物の毛皮を着る事が生活の安定である」とか「動物と一緒に暮らせている事が安心できる生活である」とか獲得したものだろうか。

もしくは子供の頃咥えていたブランケットを引きずる様に、今でもその感覚を引きずっているのだろうか。

もし、人間同士が触れ合う事が一番安心するのであれば、
人肌の様なしっとりとした材質が最も安心するはずでは無いだろうか。

毛布では無く、「人肌布」のような質感の方が寝やすいのでは無いだろうか?

■まっくろくろすけ


ひとまず、この私の安心できない剛毛を無くしてみた時の感覚から考えてみよう。

そう思った。

風呂場で髪以外のすべての毛という毛を剃刀で全て剃り上げた

すると大きな「まっくろくろすけ」が私から解放された。
触れても消えずにチクチクした。

全身剃り上げたその日に分かった。
全身いたるところで剣山の様に成長した毛が触れた体を刺してくる
癒しどころではない。チクチクチクチクと私を責め立ててくる。

何も分からなかった。

■質感と癒し


流石に人肌を試す事は難しい為、ロボット研究と感触の論文を参照した。
以下論文からの考察引用である。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjske/advpub/0/advpub_TJSKE-D-18-00037/_pdf

つまり、このロボットセラピーの触り心地の研究において、「材質自体の暖かさ」と「厚さ(弾力性)」にあり、それがストレスの軽減効果を持っているという事である。

では人肌を模した「人肌布」だった場合、どうだろうか。

暖かさは毛布と同様の温度に保てると仮定すると、厚さ(弾力性)に大きな差異が出てくるだろう。

ツルツルの表面の人肌布と、多くの毛と空気を保有した毛布では弾力が段違いになる。毛布の方が安心できると言えるだろう。

今までの内容から、以下の要素が含まれていれば癒しの効果がある程度見込めるだろう。

・厚さがある(+柔らかさや弾力性がある)
・暖かさがある
・動物らしさがある

例えば以下の毛糸をポケットに入れておけばいつでもどこでも癒される。全身に巻いて歩き「癒し人間」になるのも夢ではない。

■終わりに


「なぜ人はその質感であると癒されるようになったのか」についてはついぞ明示的な根拠・理由を得る事は出来なかった。

ツルツルになった私は誰も癒せないかもしれない。
そう思って、またタオルに顔を埋める。

ちょっと臭かった。




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