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「うなぎ」を観て

皆さん、ごきげんよう。

今村昌平監督の「うなぎ」を観ました。
少しネタバレしますので、ご注意を。



主人公である役所広司さんの演技力を見くびっていました。
こんなに凄い人だと思いませんでした。非常に引き込まれました。

まず、最初のシーンから。
ああいう性欲をくすぐるシーンを最初に入れるとは、、、
人の心を掴むためには必要な場面なのかな。

どの映画を観ていても、
最初5分くらいで映画の良しあしがほぼ決まるんじゃないかと思ってます。

主人公の、惨たらしい殺人場面から、すっけらかんと出頭する場面。

頭のネジが数本抜けた、狂気じみた主人公かと思いきや、
そこから徐々に主人公の人情味ある人間性が明るみになっていく。

あと、最後のシーンが、一番好きです。
登場人物ほぼ全員大集合の乱闘シーン。あれは何度でも観たい。


主人公山下は、不倫した奥さんを殺しています。
なぜ殺したか。
深いようで、浅い理由。
耐え切れなかった。怒りに身を任せた結果である。
人間なんてそんなもんだ。

私も想像した。
自分の大好きな人が、不倫している場面を目撃したとしたら、
ものすごい勢いで、感情が揺れ動く。
包丁を手にする姿が見えたりする。
それだけの恐ろしさが自分の中にもある。


殺人について、少し考えたことがあります。
「殺人はいけない」って本当にそうでしょうか。
いや、道徳的にいけないのは分かります。
結局、残る事実は「相手は死んだ」「自分は殺した」

「殺人」と聞いて、震えあがっている私は何だったんだろう。
殺した人はいけないやつだ!!!と何の考えなしに見下していた自分。
その人の背景を知ろうともせず。

「青いな」なんだか、この映画を観て、そう思いました。

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