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眼球ダンスホール

目んたまの、なかを、覗いてみた、あのこの、目んたまには、わけいって、叢みたいな、睫を掻き分けて、あのこは、ウウ、と唸った、扇情的な声で、ウウっと、か弱いどうぶつの、いや、女の四肢をした、フシダラなこうもり傘、でも、人間のかたちは、傘ではないから、骨があるきり、雨風防げないから、んでは、明快に、雌猫、ともかくそう、獣たちの、情動から発声される、いななきみたいに、殺戮される花束みたいに、かたほうの目んたまで、明快な符号と、二人きりでとり決めた合図を、織りまぜながら、唸った、あのこの、カラーコンタクト、ドラックストアーでかえる、安いの、酒でいえばトリスとか、そういうの、薄くて破れやすい膜、初めての膜だから目んたまが、破けたら、世界が飛び出るから大業、目んたまと、魂の越境地である、心から、あのこの目んたまに、体を屹立させる。
あのこの目んたま、膜が破け、じんわりと、体液はこぼれる、みるみるうちに、小さな池になった。
おや、もう夜だから、ビー玉みたいな、月が浮かんでいた、だから、あのこの目の玉偽物、だつて、目の玉に、わたしは居なかった。白みはじめた夜は、また暗がりに身を潜める。

だから、瓶詰めのオリーブんなかに、白っこい、目んたまと、繊維の赤い糸、たぶん血液とか視神経とか、もみくちゃに押し込む、たぶん塩漬け、あのこの目んたま、たぶん、塩辛になる。

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