見出し画像

【今週の週末ごはん】#20 旬のいわしにアーモンドをたっぷり貼り付けカリッと「鰯のアーモンド焼き」、夏野菜たっぷりフラメンカエッグ、マッシュルームのデュクセルパスタ

久しぶりに胃腸の調子がよく、これまでよくつくっていた各国料理が食べたくなった。2月にひどい胃腸炎を患って以来久しぶり。嬉しい。
イタリアワインも久しぶりに飲んだ。

最初に決めたのは肉と魚の料理。
だいぶ前に買った鹿肉のミンチを使いたくて、ケバブをイメージしてややスパイシーなものに。一方でこれまた長く冷凍してしまった氷見の鰯(氷見いわしについては過去エントリで)も、ちょっとだけ目先を買えたものにしたかった。

◆鹿肉のドルマ

脂身の少ない鹿肉ミンチは少々まとまり難いので、スパイスで味付けした後団子状にまとめて焼くよりピーマンに詰めた方が安定するかもと思った。味も合うし、この方が簡単。

ひき肉ベースの具をピーマンに詰めたりキャベツで巻いたりしてトマトで煮る、若しくは焼く料理は広く分布しているが、今回は中央アジア~コーカサス風にクミンやコリアンダーをきかせ、つなぎには米ではなくそばの実を使用。東欧〜中央アジア周りでそばの実はよく使われる食材。食感のアクセントにもなり、美味しく仕上がった。

◆鰯のアーモンド焼き

元来ナッツ類が体に合わず、肌荒れや胃腸トラブルを起こすのでなるべく避けているのだが、アーモンドは大丈夫なようだと最近気付いた。南イタリアの料理にはアーモンドや松の実がよく使われ、これもそのひとつ。
開いた鰯の皮側に軽く泡立てた卵白を接着剤代わりにしてスライスアーモンドをたっぷり貼り付け(火の通りやすい腹側には焦げるので貼らない)、オリーブオイルでこんがり焼く。味付けは塩だけだが大変美味しい。レモンを絞ってもよく合う。

◆フラメンカ・エッグ

数種類の夏野菜をたっぷりのオリーブオイルで炒めてトマトを加えた料理は各国にあり、味付け等の違いはあるが、フランスではラタトゥイユ、イタリアではカポナータ(本来はトマトを使わず茄子を中心に甘酸っぱく味付け)、スペインでは卵を落としてフラメンカ・エッグと呼ばれる。スペインでは刻んだ生ハムを味出しに使うことも多く、今回はそのパターン。

使った野菜はズッキーニ1本、茄子1個、黄パプリカ1個、玉ねぎ半分、カットトマト半缶、にんにく、唐辛子。刻み生ハムはごく少々。
最初ににんにくと種を抜いた唐辛子をオイルで温め香りを出し、玉ねぎと生ハムから炒め始めて最後にカットトマトを加えて煮、食べる直前に温め直して卵を落とす。写真で卵黄がひとつ目立っているのは、鰯に卵白を使って残りの黄身を落としたから。

この手の夏野菜料理で私が一番好きなのはじゃがいもが入るプーリアの郷土料理「チャンボット」だが、前週つくったばかりなのでこちらに。次はカポナータかな…というくらい、この種の料理は夏中よく食べる。

◆マッシュルームのデュクセルパスタ

この日の献立は中央アジアからコーカサス、南イタリアにスペインと広過ぎるエリアの料理を節操なく詰め込んだ自覚はあるが、さらにフランスっぽいデュクセルまで加わってしまった。もうユーラシア一帯ということで…
夫はとにかくきのこが好きで、これをつくるといついかなる時でも例外なく喜ぶ。今日もこれが一番美味しいと言っているので良しとしよう。

細かく刻んだマッシュルームと玉ねぎをじっくり炒めて旨味を凝縮させ、パセリと生クリームを加えて濃厚なソースに。これをパスタソースに使うのはイタリアでも北の方、特に東側のオーストリアやスロヴェニアと接する辺りだと思う。この辺りの料理は乳製品を多用し、幾分こってりしている傾向がある。

こってりつくるか否かは炒める際に使うバターと生クリーム次第なので、多少軽やかにつくることも可能。私は体調や気分に合わせて調整している。この日はバターは少しだけ多め、生クリームは不使用。パスタのゆで汁で水分と塩味を調整した。マッシュルーム1パック、玉ねぎ1/4個、ショートパスタ100gで2人分。マッシュルームは数個とっておいて生のままスライスし、味と食感の違いを狙った。

広過ぎる範囲の料理でもなんとなく無難にまとまったのは、それぞれが主張の強いタイプの料理ではなかったからだろう。
冬に体調を崩してから回復に随分長くかかり、冬から春にかけて食べるつもりだった食材がまだ冷凍庫に残っている。なるべく早く使ってあげなくては。

この記事が参加している募集

#今日のおうちごはん

18,687件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?