梅としば漬け
2023年5月、突如として梅干し沼にはまり込んだ。何の前触れもなしに。
それまで梅干しは好きだが毎日食べる程でもなく、常備はしても特に拘りはなかった。敢えて言うなら甘くなく塩分の高過ぎないものを選び、品種も和歌山の南高梅なら間違いないだろう、程度のものだった。
――が。
食べることと作ることで頭の8割〜9割が埋め尽くされている私がいつものようにネットで料理レシピや動画を漁っていると、ある日京都在住の方が自宅でしば漬けを漬ける動画に行き当たった。しかも乳酸発酵させている。
なんと!しば漬けは大好物だ。それも、京都の漬物屋の発酵タイプは殊の他好き。それが自分で作れるなんて!なんて素晴らしい!!
大喜びで早速真似した。
きゅうりと茄子を食べやすく切り、生姜を刻み、ファスナー袋に入れ計量。材料の3%の粗塩を入れて軽く揉み、空気を抜いて常温で三日ほど放置。袋が膨らんで来たら適宜空気を抜き、材料から出た水分が濁り発酵臭がして来たら水気を切り、あく抜きした赤紫蘇と梅酢を加えて冷蔵庫で一日以上待つ。
・・・梅酢???
「梅酢」というワードに聞き覚えはあるが入手したことはない。とりあえず冷蔵庫の梅干しの紫蘇と容器の底にたまった液を入れ、足りない分は醸造酢で補い、初めてのしば漬けは完成した。
びっくりした。たったそれだけなのに、いたく美味しかったのだ。さらに夫が「これがあるとごはんがあっという間になくなる」と大喜びし、きゅうり2本と茄子1本分が2~3日で売り切れた。次の分を作ろうとしたが手持ちの梅に液体はもうない。
ここに至り、「梅酢」が何なのかようやく調べて正体を知った。それが私が梅に手を出してしまったきっかけである。それがいかに広く深い大海(若しくは沼)であるかも知らずに。
そこから始まる梅たちとの試行錯誤がハンドルネームの由来である。当初は梅の品種(案外まとまった資料はない)と梅仕事に特化したまとめ場所が欲しいと思っていた。
が、しば漬け⇒梅仕事に転化したように、梅シーズン後は流れでしその実を漬け大根やごぼうを漬け、これまで手を出して来なかった「漬物」「保存食」ジャンルに何故だか踏み込んでしまっている。
元々人並外れた食いしん坊かつ可能な限り作ってみたい好奇心旺盛な質で、料理歴は過去数十回出張した中国の家庭料理⇒可能な限りの各国料理⇒家でよく飲むのがワインなので合う国の料理⇒と展開し、現在最も日常的に作るのがイタリア、ギリシャ、ポルトガル辺りの家庭料理。夏はトルコ〜地中海、冬はイギリス、ロシア、北欧、東欧辺りも守備範囲となる。技術が必要な和食はむしろ苦手で、酒のつまみならいくらでも作るが家庭料理は...だった。
その私が梅干しと漬物作りにはまるとは。確かにいつか可愛いおばあちゃんになるのが目標なので近い気もしなくもないが、いやいや早すぎる。そしてこの先の興味がどう展開されて行くのか、自分でも予測がつかない。
そんな訳で「食」と言ってもかなり雑多な範囲に及ぶことが予想されるが、なるべく見やすく種類や季節を整理の上、備忘録も兼ねて「作ったもの」「買ったもの」「食べたもの」のうち、記録に残したいものを投稿して行こうと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?