見出し画像

これはもはや和風カラメルポテト!丸ごとじっくり揚げて皮の香ばしさを出すのがポイント、福島の郷土料理「味噌かんぷら」

我が家は最近福島贔屓である。
夫が福島の大学を出ているので元々親しみは強かったが、近年ドライブやBリーグ観戦を兼ねて旅行する機会が増え、私もずいぶん詳しくなった。結果贔屓になったという訳だ。

福島には美味しいお菓子が多い。
柏屋の薄皮饅頭や檸檬、かんのやのゆべし、三万石のままどおるをはじめ老舗の銘菓が数多くあり、そのどれもが美味しいのでひとつには到底絞れない。
城下町だった三春には小ぢんまりとした良い和菓子店が多いし、奥会津の蒸したてのあわまんじゅうも最高に美味しい。
ややB級寄りな方面もクリームボックスや酪王カフェオレスイーツ等豊富に揃い、個人的にはメヒカリチョコがおすすめ(勿論メヒカリは入っていません。塩キャラメルがおすすめ)。それゆえ行くと毎回甘いものを大量に買って帰ることになる。

郷土料理もなかなかに個性的だ。
するめとにんじんを甘じょっぱくとり合わせたいかにんじん、食べやすく可愛いサイズの三春の三角揚げ、日本酒のあてに最高な会津のにしんの山椒漬け、調理法が斬新な郡山の餅料理等、美味しくて他県の者には目新しい品々が揃う。
そのひとつに「味噌かんぷら」もある。

小ぶりのじゃがいもを丸ごとじっくり柔らかくなるまで揚げ、砂糖を加えた味噌を絡めたボリュームのあるおやつ、若しくはおかずの一品。
身近な材料・調味料でできるので、他所で似たものを食べたことがあるという方も多いかも知れない。現に私も埼玉県北部の「味噌ぽてと」に似ている、と最初に見た時思った。

味噌ぽてと大好きなんですよね(画像お借りしました)

但し「みそぽてと」がじゃがいもを一口大に切り厚めの衣で天ぷらにして味噌だれを絡めるのに対し(この衣がお腹にたまる)、味噌かんぷらは切らずに丸ごと素揚げするのが基本。小ぶりの芋を丸ごと時間をかけて揚げることで、皮の香ばしさや皮と塊茎の間の甘さが引き出され、味噌だれの風味ともより一層合うのである。

今回つくろうと思ったのは、たまたま小ぶりの新じゃがメークインがあったから。これを揚げたらきっと美味しいだろう。新じゃがなので皮が薄く、こすり洗いで簡単にきれいになる。

洗った後の水気をキッチンペーパー等でよーくふき取り(でないと油がはねる)揚げ物用の小鍋に入れ、揚げ油をひたひた程度に注いで点火。油が冷たい状態から揚げて行くと油はねしにくく、中までほっくり揚がる。
160℃ぐらいになったらそれ以上高温にならないようキープしつつ、じゃがいもを時々転がしながら全面に均等に揚げ色がつき、楊枝がすっと通るくらいまでじっくり揚げる。

各種つくり方を参照すると、じゃがいもを揚げる前に蒸かす、若しくは茹でて揚げ時間を短くするものもあったが、個人的には事前に蒸したり茹でたりせず、柔らかくなるまで終始油の中で加熱するのが最も美味しいと思う。皮の香ばしさが段違いだからだ。
そうして揚がったじゃがいもをフライパンに移し、大さじ1~2程度の味噌と同量の砂糖を加えて手早く練り合わせる…のだが、初めてなので幾分もたついてしまい、味噌を少々焦がしてしまった。砂糖が入るのでなお焦げやすい。使ったのは一般的な茶色い味噌(秋田味噌)だがまるで八丁味噌みたいな色に…。

でも。
出来上がったこれが、たいへん美味しかったのだ。びっくりした。

このとろりと焦げた感じが和風カラメル

だいぶ焦げちゃったな、焦げ臭いかな…と思いながらおそるおそる口にしてみたところ、あら?なんと焦げた味噌と砂糖がカラメルみたいな香ばしい甘さに変貌。パリッと感も出て美味しい。もはや和風カラメルポテトである。皮から塊茎にかけての香ばしさと甘さがたまらず、新じゃがならではの若々しさも加わって、これはものすごく美味しいではないですか!!

という訳で、週末に再度作ってみたのが上の写真である。
この時は味噌を予め砂糖と練り合わせ、少しだけ日本酒を加えてのばして芋と絡めたので、焦げる手前の状態で仕上げることができた。

この週末は実山椒をたくさん使いました。それについてはまた別途

これも美味しかったのだが、正直最初に作ったやや焦げ加減のカラメルポテト版の方が美味しかったかも…。
つまり使う味噌や甘さの程度、どれぐらい味噌を加熱するかによって味わいはかなり違ってくるということだ。

考えてみれば、もたもたしていた≒砂糖と味噌を焦がしてカラメルソース状にした、ということなので、次からはその状態を狙ってつくっても良いかも。焦がさず味噌に砂糖やみりんを加えて煮詰めただけの状態だと、途端に田舎料理の風合いを帯びる。もちろんそれも美味しいけれど、カラメルポテト状はなかなか斬新でおすすめです。醤油スイーツが好きな方ならきっと気に入ると思う。

いずれにしても、「小ぶりな新じゃがを皮つきのまま丸ごとじっくり揚げる」は必須!よかったら是非お試しください。美味しいです。

ちなみに、味噌かんぷら最初に食べたのはどこだったかな?と過去フォルダを漁ったところ、出て来たのは7年前のBリーグ福島ホームゲーム会場。あの頃は今とはだいぶ異なるラインナップで、ビジターの私はもの珍しくていろいろ買って食べたなあ、美味しかったな。

2017年のクリスマスイブ、B2福島VS秋田。夫がインフルエンザで寝込む中、私は青春18きっぷで郡山へ日帰り遠征
この時の「美味しい」印象があったから今回ふと思い出したのでしょう

この時買った「味噌じゃがいも」は削りがつおが全体にまぶされ、よりおかずっぽくアレンジされていたが、そんなことはすっかり忘れて今回カラメルポテトが開発された。

削りがつお入りも今度試してみようかな。


この記事が参加している募集

#ご当地グルメ

15,776件

#イチオシのおいしい一品

6,249件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?