【駅・コンビニでご当地🍙】#12 三重名物あさりしぐれおにぎりをスーパー「ぎゅーとら」・近鉄名古屋駅で食べ比べる
あさりのしぐれ煮は美味しい。
噛んでいると口の中に貝の旨味がじわじわ広がって行き、美味しさを長く楽しめるのが好き。旨味が凝縮されているのも良い。これには緑茶よりも、どちらかと言うと番茶やほうじ茶の方が合うように思う。
以前から千葉方面へ行くとデパートで買い求めたり、駅弁にも入っていたりするのが楽しみ。だが、おにぎりの具にする発想はなく、どこかで見た記憶もなかった。やや贅沢品でもあるし、おにぎりに入れるには少々味付けが濃い気がするからだろうか。
――が、三重では事情が異なった。
以前おにぎり店「桃太郎」さんの記事でも触れたように、あさりしぐれは三重ではおにぎりの定番の具らしく、スーパーや駅売店等様々な店舗で自然と目に入ってくる。
「桃太郎」ではたくさん並んだあさりが気になりつつもやはり名物のはまぐりが食べたくてそちらを買ったが、その後向かったスーパー「ぎゅーとら」及び帰りの名古屋駅でそれぞれあさりしぐれを購入。食べ比べると意外と違いが大きかった。今回はそれについて記そうと思う。
私は旅に出ると旅程の許す限りその地方のローカルスーパーを探して立ち寄る。ご当地ならではの味や、それを構成する調味料、食材に出会えることを期待して。三重でも何軒かのスーパーを目指した中で、最も収穫があったのが「ぎゅーとら」だった。
この時向かったのは伊勢エリアのハイジー店。
ここで買ったお相撲さんのパッケージでおなじみみなみ製麺の伊勢うどんについては過去記事で書いたのでよろしければ。ふわふわもちもちの独特な太柔麵に、しっかり味のこくのあるつゆ。ご当地感がたっぷり味わえてとても美味しかった。また食べたい。
ここでは伊勢うどんの他、以下の品々を購入。
ぎゅーとらオリジナルの練り物「イカたっぷり小判」とおにぎり各種の中からあさりしぐれ、
志摩まで足をのばせる旅程なら行きたかった鳥羽市「ブランカ」さんの「塩シェル・レーヌ」。プレーンもあったがつい塩を…。
いずれも美味しかった。
「イカたっぷり小判」は小ぶりでも食べでがあり、刻み込まれたイカに加え、たっぷり入った玉ねぎが甘くシャキシャキと美味しかった記憶がある。
貝殻型が愛らしい「塩シェル・レーヌ」も塩味・アーモンド風味共に強過ぎない柔和な味。毎日食べたくなるような美味しさだ。どんなお茶にも合いそうな風味が印象的で、原材料には特にそうした記載はないが、どこか貝を思わせる旨味みたいな要素を感じるのは塩のおかげか、或いは真珠貝からつくられた「パールシェルカルシウム」なのか(公式サイトでプレーンには入っていると確認できるが、塩シェル・レーヌについては不明)。こちらも是非また食べたい。
また、名古屋~東海方面へ行くと帰りの新幹線乗車前に私はだいたい近鉄名古屋の駅ビル「近鉄パッセ」地下の「デリカキッチンマルシェ」に立ち寄る。ここでもあさりしぐれを発見。見た感じ、それほど違いがあるようにも思えなかったがやはり気になって購入。帰宅後に食べ比べてみることに。
それでは改めて並べてみる。
左がぎゅーとら、右が近鉄名古屋。大きさ・形はほぼ一緒だが、海苔の色が少々違うように思える。近鉄名古屋の方がやや色が薄い。
パッケージから取り出すと、違いはさらに鮮明に。近鉄名古屋は海苔の色のみならず厚みも「ぎゅーとら」に比べてかなり薄い。「ぎゅーとら」はちぎれにくいしっかりした海苔だ。私は厚手の海苔が好きなので嬉しくなる。
そして断面。左右逆に置いてしまったが、具材の量も随分違う。左が近鉄名古屋、右の具だくさんで全体的に厚みのある方が「ぎゅーとら」。
これはパッケージの栄養成分を見比べてもわかっていたことだ。「ぎゅーとら」の方が熱量・たんぱく質のいずれも高く、食塩相当量も他方と比べればやや高いが高すぎるというほどでもない。脂質も少なく優秀である。
ちなみに裏書も「ぎゅーとら」の方がシンプル。それになんといってもリーズナブル(価格は2024年7月現在)。さすがスーパーである。
味は…やはり「ぎゅーとら」の方が手作り感があって、あさりの味も生姜の味もしっかり味わえて美味しかった。ただ近鉄名古屋駅の方も決して悪くはない。駅でこのおにぎりが買えるなら旅行者には大歓迎だし、リピートも十分ありだ。
双方と更に「桃太郎」さんの佃煮に関しても言えることだが、三重のしぐれ煮は、関東~東北の佃煮に慣れた私の舌には醤油の味が濃過ぎず、煮加減も浅めで柔らかく、貝の旨味や甘味がよりフレッシュに感じられる。だからおにぎりに入れてもしょっぱくなく、白米との相性は抜群。そしてその味付けや煮方のおかげか、三重のあさり・はまぐり煮は緑茶とも合う。
この辺りは多分使われる醤油の違いも大きいだろうと思うけれど、三重のしぐれ煮は優しく穏やかな味で、関東に住む私には旅情を感じさせる一品である。
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