見出し画像

【おうちで発酵】#20 ヨーグルトメーカーで初めての納豆づくり〜大豆と黒豆納豆、おろし和えと納豆そば

先日炊飯器で醤油麹をつくった折、中温の温度帯が保持できる機器が欲しくなり、ヨーグルトメーカーを買った。3000円未満で買えたので、数々の用途を思えば良い買い物。パン用の酒粕酵母や豆乳ヨーグルトなど試したいものはいろいろあるが、最初に着手したのは納豆だった。

とても小さい箱。これで約300回作れる量だそうです

昨年梅仕事にはまって以来、本棚には発酵や保存食に関する書籍がかなり増えた。本棚の大規模整理を行ったほど。
その中で、当初は納豆づくりにそれほど関心はなかった。納豆と豆腐は日常食として冷蔵庫に常備しており、そこに必要以上の手間をかけるつもりはなかったのだ。

――が。
昨年末にBリーグ観戦のため宿泊した水戸市のホテルの朝食で食べた黒豆納豆が、想像以上に美味しかった。豆の個性が活きつつもちゃんと納豆。同ホテルでは数種類の納豆があり、さすがは納豆の名産地と感心した。

ビュッフェなのでこんな取り方
シンプルに塩で

それから機会を狙っていたのかも知れない。
何せ我が家にはかなりの種類の豆がある。日本の豆だけでも黒豆、金時、うずら、大手芒に赤えんどう、もちろん小豆と大豆。だが私が元々豆好きになったきっかけは各国料理なので、レンズ豆やひよこ豆は必ずあるし、レッドキドニーやカリオカ豆も時々買う。これだけあれば、納豆をつくってみても不自然ではないような。

という訳で、少し前に買っておいた納豆菌を開封。折角試すなら食べ比べをしたい。普通の大豆と黒豆を同量の100gずつ使い、二種類同時につくってみることにした。

まずは豆を洗って一晩水に浸ける。この段階で浮いて来る豆は取り除く。

水を吸うとかなり膨らむ
色止めの鉄玉子を使わなかったので、皮がむけた部分が白いです

十分水を吸って膨らんだ豆を、たっぷりのお湯で柔らかくなるまで(納豆にすると固くなるそうなので柔らかめに)茹でる。今回はそれぞれ一度茹で汁を取り替え、あくを除いた。この辺りは使う豆の古さや質にもよると思う。

それから茹でたての熱いうちに(80℃くらいが良いらしい)予め分量を計って水で溶いておいた納豆菌と素早く混ぜ、35℃〜42℃程度で約20時間保温。
納豆菌は200g用の量(添付の極小スプーン1杯分)を半分ずつに分けたが、なんとなく黒豆の方に多く混ざった気が。

ヨーグルトメーカーは細長なので、納豆菌をまぶした豆はそれぞれポリ袋に入れ、均等に空気が抜けるよう縦に並べて(袋の口は縛らない)発酵開始。

本来は大きめの容器に広げて豆が重ならないようにすると良いそうです

設定は38℃にし、タイマーは8時間が最長なので切れる度に再度電源を入れ直す。数時間に一度様子を見て袋の位置を変え、新鮮な空気を取り入れた。
また、軽くのせた蓋の内側に湯気がたまるので時々拭き取る。

タイマーが2回切れた辺りで大豆の方からややアンモニアっぽい匂いを微かに感じたため、次のタイマーは4時間で止め、冷めてから冷蔵庫へ。冷蔵庫でまる1日おくと発酵や粘りが落ち着き、匂いも安定するそうだ。

ヨーグルトメーカーで約20時間経った頃の状態。

納豆らしい粘りと香りだが、黒豆の香ばしさも
こちらはまだ「豆」っぽく、粘りもやや足りない。でも冷蔵庫に一日入れて落ち着いた

やはり大豆の方が粘りが少し足りず、アンモニアっぽい匂いも少々。黒豆は至って順調に納豆化、匂いも普通に納豆。
とは言え家庭用ならさほど気にしてつくるものでもないと思うので、とりあえず工程を進める。

冷蔵庫へは袋のまま口を軽くしばって入れた。

冷蔵庫に移して一日半ほど経ったあたりで味見。

醤油麹、大根おろし、納豆にとても合うおみ漬けを並べてどれが合うか試したところ、やや風味の足りない大豆には醤油麹、そのままで美味しい黒豆には大根おろしやねぎが合うと思った。おみ漬けはどちらにも。辛味は、豆の風味を活かすなら辛子ではなく、どちらかと言うとわさびか柚子胡椒が良いように思う。

やはりおみ漬け強し

翌日は予め味付けして食卓へ。
大豆には大根おろしとねぎ、桜えびを醤油麹で和え、黒豆は納豆のたれとねぎ。

この二連の皿を使いたかった

翌日はランチに納豆そば。

夫にとても好評でした

醤油麹と梅味噌で和えた納豆と大根おろし、山芋のすりおろし、おぼろ昆布、刻んだわさび菜とねぎ、梅酢生姜に大きな梅干し。美味しい。
冷たい納豆そばは昔から好きで夏によく食べる。薬味たっぷりが好きなので、これくらいいろいろのせると楽しい。

保存は、冷蔵庫に移した段階から5日間程度。今回やや菌が足りなかった大豆は5日でぎりぎり、黒豆の方はもう数日は美味しさが保てそう。やっぱりきちんと別々に菌を計って入れるべきだった。専用スプーンが耳かきより小さいので半量もなあ…と思ったけど、次からちゃんと計ります。反省。

なお、藁苞代わりに香りのある葉で包むか一緒に入れるやり方もあるそうで、いずれ試したい。シンプルに大豆でつくる場合、そうした香りがあった方が美味しくできるかも。
また、是非試したいのは茶豆やえんどう豆。もうすぐ新豆が出てくる季節。いろいろ試して好みを探りたい。

納豆は麹調味料や発酵あんこ作り等と比べ、温度管理が緩やかで気楽。機器がなくても発泡スチロールに湯たんぽを入れて保温したり、こたつで作る方もおられるそうなので、気負わずやってみるのが良いかも知れない。

そういえば、ひきわり納豆って作れるかな?
ひきわり好きなので、作れるならこれも試そう。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集