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ランダムフォトチャレンジ

久しぶりにNoteを書いてみようかと思いました。

久しぶりっていいですよね。懐かしさの中に重苦しさみたいな感情が入り交じるなんとも人間らしいひとときな気がします。ここで私が言っている「久しぶり」は、会いたかった昔の友だちに会うシンプルなそれとは違います。このNoteを書く作業は私にとっては面白い反面、面倒なことでもあるのです。ただ、書くとそれが残るので、それが魅力的でまたぼちぼち書こうかななんて思い直したところです。

久しぶりだと何を話したらいいのかわからないです。なので、みんなのフォトギャラリーから事前に写真をランダム(適当)に選び、そこから連想される内容で少しでも人のためになりそうな内容を投稿すればいいかと思いました。名付けてランダムフォトチャレンジ。

自分がいつか話したいテーマや、販売するものは別立てで投稿していきたいと思います。

さて、今日の写真から連想されるテーマは「お母さん」ではなく「お弁当」です。どうしても内容が医療に偏りがちになってしまいますが、それは自分の属性上しょうがない。もっと多角的な人間になりたいですが、無理は禁物だと自分に言い聞かせます。

今日だけは長い前置きをお許しください。

では本題に、

お弁当と言えば「食中毒」ですよね。
僕はこの写真を見て、食中毒のことを連想してしまいました。
厚生労働省が報告する令和4年の病原物質別食中毒発生状況(患者総数)を見ると、
1位 ノロ(ウイルス)
2位 ウェルッシュ属(細菌)
3位 カンピロバクター属(細菌)
4位 サルモネラ属(細菌)
5位 アニサキス(寄生虫)
だそうです。

個人的に食中毒の病原微生物として印象深いあいつは第6位でした。
個人的にはあいつが6位なのが意外な感じです。話は逸れますが、自分のイメージと実態は乖離していることって結構あるので、自戒を含めて客観的なデータと自分のイメージをすり合わせる作業や情報のアップデートは大事だと感じます。

第6位のあいつは……………
黄色ブドウ球菌です。
略して「黄ブ菌」とか「ブ菌」とか言われますが、個人的に「黄ブ菌」はいいとしても「ブ菌」はいくらなんでもやりすぎだと思います。略語は便利ですが、誤解を招くことがあり、要注意ですね。

黄ブ菌の食中毒の特徴として特筆すべきことは、とにかく摂取後から発症までの時間が早いことです。
医師国家試験を例に挙げると、「おにぎり」「摂取後数時間で発症」などのキーワードが出てきたら、脊髄反射レベルで黄ブ菌による食中毒!となるのではないでしょうか。そのくらい早いのが特徴であるのが黄ブ菌による食中毒です。

発症したらどう対処するか。細菌なのだから抗菌薬で治療すれば良いとか、細菌なのだから加熱すれば良いと考えられがちですが、残念ながら黄ブ菌由来の食中毒予防・治療には加熱も抗菌薬も通用しません。

その理由は、
原因が黄ブ菌自体ではなく、黄ブ菌が産生して排出する耐熱性・耐酸性の菌体外毒素だからです。エンテロトキシンといいますが、エンテロは腸、トキシンは毒です。シンプルですよね。黄ブ菌は胃酸に抵抗し、加熱に抵抗する外毒素(タンパク質)で腸管毒として下痢嘔吐を誘発するのです。これに対する特効薬はありません。

治療は点滴による脱水の補正がメインになります。現代の医療としては物足りない感じは否めないですが、回復力を補助することぐらいしかできないのが現状です。

では、この原因に対する本質的な治療はどのようなものでしょうか。
答えは、エンテロトキシンを無毒化する中和抗体の内服です。
しかし、それは販売されておりません。

その理由は(以下、おそらく)、①~③あたりが考えられます。
①中和抗体自体がタンパク質なので、胃液(酸)や膵液(アルカリ)で失活してしまうから。
②耐酸性、耐アルカリ性の中和抗体が作れたとしても(技術的に作れるのかはさておき)、使うタイミングが限られているため、開発・販売しても製薬会社に利益が生じない。(昨年の黄ブ菌食中毒患者総数が全国で200人程度)
③この食中毒が原因で死亡する人が稀だから。
他にも理由はあるでしょうが、主にここらへんが新規治療の開発が進まない理由かと推察します。

おにぎりを手で握っても発症しないこともあるけど、それはなぜなのか?
とか考えれば考えるほど疑問が湧いてきますが、そこらへんはきりがないので割愛いたします。

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