建築トラブルセカンドオピニオンを経験〜感じていること③
建築トラブルの第三者相談をしてくると、感じることがあります.
トラブル要因は、全て業者にある訳ではありません。
今回はその一端だけでも共有できれば幸いです。
【業者側】【施主側】に分けて私の経験をご紹介します。
まずは業者側から・・・
【業者側】度が過ぎる営業トーク
畑違いで日が浅く、専門的知識が十分ではない営業マンが
施主から、知識で補いきれない質問をされ、
「誇張した」言い方をしてしまったことで
住んでから寒い・・・言ったことと違う!と
紛争しているケースだ.
暖かさの要素は、一つではない
・断熱の程度
・気密の程度
・間取りに適した換気の計画
・間取りに適した冷暖房の計画
・窓と冷暖房の位置関係
など、総合的にマッチングした計画をして
はじめて家の温熱環境が快適になる.
決して、断熱だけをグレードアップして
暖かさを得られるわけではないのだ.
専門側が家を建てる方に伝えるべきは、
断片的な質問になりがちな一般の方に
対して、そのことをアドバイスするのが
知識があるなしに関わらず見せる
営業マンの誠意だ.
家を売ることの責任と怖さすら
知らなったのだろう.
私がトラブル相談を受けたとき既に、
その営業マンは退職していたそうだ.
営業マンが言ったことを住む人は克明に覚えていた.
それを聞いてあきれてしまった.
地域では一定名のあるハウスメーカーだった.
会社として一定の誠意と対応をしていたが、
営業マンの教育や管理不足は否めない.
余談だが、私は建築畑違いでこの業界に入った.
初めて上司に同行したのは建てたユーザーだった.
クレーム対応だった.
何も知らない私の建築への良いイメージを
いい意味で払拭してくれた上司に感謝している.
そして日が流れ、責任ある地位となり、
自らクレームを出したこともある.
営業マンの発言、そして、会社の方針や考え方次第で
このようなトラブル発展する怖さを知っているつもりだ.
【業者側】現場状況より定石や専門知識で判断
雨漏りが起こった家.
何年も業者が対応しているわけは、
業者が状況をきちんと現場を調べず対処していた
ことで、解決に至れないケースだ.
第三者のこちらが詳しく放水調査も行った上で
見解を出した.
それでも工事業者は、漏水事実があった一部範囲に
ついて、かたくなに懐疑的見解を出してくる.
きちんと調べれば言えない見解だ.
その会社オリジナルの造り方が地域気候風土と
ミスマッチしている可能性がある.
実際、このオリジナルの作り方をこの地域で
採用している地場ビルダーは聞いたこともない.
ようやく言葉だけでなく動いたと思いきや、
自社でも現場を調べて解決方針を立てればいいものを
二度手間三度手間になるような対応をしてきた.
あきれたものだ.
起きた事実よりも
ネームバリューとプライドを優先させたいのか?
現場をきちんと調べようとしない
大手ハウスメーカーの事例だ.
自社の全国的仕様を地域に合わせ変えている
大手ハウスメーカーも聞くし、
気候風土が厳しい地域に自社仕様が合わないから
進出しないハウスメーカーも昔から存在している.
【施主側】見せるべきを業者に見せていない
住む人が、
起きた不具合を写真と記録で幾度も残していたが
その記録を業者に一切見せず、口頭だけで
「〇〇が起きたから直してほしい」と
やりとりし続けた結果、長引いてしまったケースだ.
ラチがあかないため第三者に相談された.
第三者として見解を資料化し、
業者に見せて下さいねと促した一方で、
その後も自らの記録を出さずに
第三者資料だけでやりとりされていた.
それが分かったのはだいぶ経ってからで
「第三者資料と口頭だけで済むだろう」と
思い込んでいたらしい.
第三者の専門的資料は業者を動かすために
有効な手立てだが、
施主自ら写真を撮ったりメモした記録は
工事業者を動かす重要な資料だ.
このケースを体験して以降、私は
自主記録があるなら見せて下さい、
そして、これから出す見解資料と一緒に
その記録も工事業者に見せてください
と促すようになった.
【施主側】思い込まず、期待せず、伝えるべき
自動車教習所で習う
「人が突然出てくるかもしれない運転」
と同じようなケースだ.
施主が、工務店との信頼関係を過大に考慮し、
気になるが新築工事中に質問しなかった
ことで、
工事業者が「何も質問がないから順調だ」と
思い込ませることに繋がってしまい、
不満の芽が積もり積もってしまって爆発、
建ててからトラブルになったケースだ.
お互いに質問~確認のやりとりをしていれば
クレームにならないこともクレームに発展せず
済んだであろう.
建てているモノ自体に重大な不具合は
見られなかった.
新築時は特に、
お互いにお互いを「こうしてくれるだろう」
と思い込まず、確認しあうことで
無用なトラブルを避けることができる.
だからこそ、
業者にいい意味で期待せず
質問したいことは
正直に貴方の言葉で伝える勇気
(それは専門的でなくてよいのです・・・
物を売り買いする際に一般的に行う
素朴な質問ができるかどうか)
が本当に大切なポイントだと私は感じます.
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