公園(4)
続きです!
うどん屋から出たとき、それから、別れて帰るのも寂しいな、と思った。
「公園。行かない?」
ぼくが、誘った。
彼女は、ことわらなかった。
公園に着いた。ベンチに座った。二人、なにもしゃべらなかった。
彼女の手を握ろうとした。
バチン!手を叩かれた。
「痛て!」
図書館でのこと、怒っていた。
彼女は、うつむいていた。怒ってるところも、かわいいな。こんな状況なのに、のんきなこと、考えてる。
おっさんがやってきた。ふらふら、ふらふら、歩いてる。酔っぱらってるのか?
時計は、夜の八時だった。
おっさん、こっち来なきゃいいけど。
「よ~!おつれさんたち」
こっちにきた。参ったな~。
「な~に、やってんの?デート?」
「あ、あなたには関係ないでしょ!」
ぼくは、吐き捨てた。
「おれも、混ぜてくれよ~。お嬢さん、こっちへおいで」
酔っぱらいは、彼女の手をひっぱった。
「な、なにするんですか!」
酔っぱらいの手をほどこうとした。
「なんだ~?邪魔すんなよ!兄ちゃん」
「あ、あなたね!、なんですか。酒なんか、飲んじゃって」
「飲もうが、飲むまいが、おれの勝手だろ」
彼女が引っ張られていく。
「や、やめろ!」
ぼくは、ついに、ベンチから立ち上がった。
「なんだ~?兄ちゃん、おれと、やろうっての?」
バコーン!殴られた!
ぼくは、よろめいた。
鼻血が出る。
彼女は、引っ張られていく。
「いやー!」
「やめろ!そのひとは、ぼくの大切なひとだ!」
「あ?けんかもできねーくせに」
「そのひとを連れていくと、ぼくは、一生、おまえのことを許さない。ぼくは、そのひとを愛している」
「愛しているだ~?」
「そ、そうだ!結婚するんだ!」
「調子にのってんじゃねー!」
バコーン!また、殴られた。こんどは、きつかった。公園の砂地に倒れ込んだ。
「きゃー!」
ヤバい!この状況!このままいくと!
「なにやってるんだ!!」
お巡りさんがきた。
「女性の叫び声があると、通報があった。君!大丈夫か!」
「あ、いえ」
「おまえ!ちょっと、署にきて、話を聞かせてもらおうか!」
酔っぱらいは、お巡りさんに連れていかれる。
「君たちも、こんな時間に公園なんて、来るもんじゃない。危ないぞ!」
「はい。」
ぼくたちは、無事、助かった。
「大丈夫?」
「あ痛たたた~」
「鼻血出てるよ!ふいて!」
彼女は、ティッシュを貸してくれた。
「痛いよ~」
「けんか、弱いね」
「あいつが、乱暴なんだよ」
「さっきのこと、ほんと?」
「え?」
「結婚するって」
「いや~、あれは~、その~」
チュ!
頬にキスされた。
公園のライトがぼくらを照らしていた。
焼~きいも~ 石焼き~いも~
トラックが、どこかで走っていた。
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