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12、母のぐしゃぐしゃに

前職は、デイケアスタッフの介護職をやってて、そのときの同僚に、エッセイを読んでもらってる。

その人に、「とうだった?自宅介護の感想は?」と聞かれ

「お母さんのぐしゃぐしゃに、付き合ったよ」と言うと、そのフレーズがすごく気に入られ、

「そのフレーズ、小説でも使えよ」

と言われた。

確かに、大変だったなあ、と振り返る。

母は、倒れてから、本当にぐしゃぐしゃだったし、その母にも、何度かそのひとは、会っている。

だから、その人は、その「ぐしゃぐしゃ」の意味がわかるのだろう。

もう、若かったとしか言いようがない。先も見えなくなるくらい、母のぐしゃぐしゃに、付き合った!

今だったらそんなこと、とてもできない。

先が見えなくなるなんて!大変だ!

もう、半分やけくそになっていた。

破れかぶれの、その介護は、仕事で介護するのと、身内を自宅で介護するのは、えらい違いがある。

ま!でも、今、考えると、そこまで一生懸命になるほどもなかったなあ。

自宅介護ってもんは、明らかに手を抜いているようにして、ちょうどくらいのものだ。毎日のことだし、二十四時間、付きっきりなんだし、介護する方まで、ぐしゃぐしゃになってどうする。

やはり、ぼくは、未熟な介護者であった。

なお、「お母さんのぐしゃぐしゃに、付き合った」というフレーズは、いつか小説で使おうと思ってる。

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