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兄のうちへ、鍋に呼ばれました。
美味しかったです。
ホソっていうのかな?兄は、おまえ、こんなん、食べたことないやろ!と自慢げに言ってました。ホルモンの肉らしいですね!
ぼくも、食べたのはじめてでして、ほふ、ほふ、と言いながら、食べてました。

鍋の横では、でっかいテレビがついていて、
「おまえ、テレビ見ないから、こいつ誰か知らんやろ」
 「知らん」
と、そんな会話ばっかしてました。

奥さんが、麺を持ってきて、食べて、食べて!と言います。
兄の奥さんは、どんどん、食べ物を運んでくるんですよね。
兄は、よく、あんな細身の体型を保ててると思います。ぼくやったら、あの奥さんだと、ぶくぶく、ぶくぶく、幸せ太りしていたでしょう。

最後、食べ終わり、兄に食事を招待されると、いつも、どのタイミングで帰ろうか迷ってしまうんです。
早過ぎても、なんや、もう帰るんか!と文句つけられるし、遅くなっても、後で、おまえ、早よ帰れよ、と文句つけられるし。
どのタイミングが一番、後味良く、帰れるのかな~と思います。

読みかけの小説を取り出しました。
鍋が終わり、兄は、ソファで、だらーっと寝転んで、テレビを見ています。
小説の話がだんだん、おもしろくなってきました。
なんででしょう。
小説って、自分の家じゃ集中できないんです。バスに乗ってるときや、喫茶店にいるときのほうが、集中できるんですよね。

奥さんが、
「わたし、寝てくるわー」
と言って、ベッドへ向かいました。

兄はテレビを。ぼくは、小説に集中しています。

小説が一段落、終わりました。
「お兄ちゃん、そろそろ、帰るわ」
と言うと、
「おう、早よ帰れ!」
と言われました。
どうやら、また、帰るタイミングを間違えたようです。

自宅へ帰ってから、お兄ちゃん、今日は美味しかった!とLINEを送っておきます。

次の日、兄に会うと、案の定、怒られました。「おまえ、これから、もっと早よ帰れよ」と。

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