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失った愛の傷が癒えるまでに

今夜は白ワインを久しぶりに飲んだ

少し酔った体で夜のひんやりと涼しい風に吹かれる帰り道に、あぁ、あんなにも暑かった夏が終わるんだなぁと少し寂しいような気持ちになった。


この街は彼とたくさん歩いた街だ。


こんな風に酔った夜は必ず彼が隣にいたから
私の左側にいない彼の面影を思うと胸の奥がキュっと苦しい


あぁ、あんなにも熱かった恋も終わってしまったんだなあ

そんなことを思った。



彼のことはずいぶん整理がついたと思っていたのに。



最近女の子に相談された話は
過去の悲しい恋愛について。


癒せない過去の古傷との付き合い方
どう向き合ったらいいんだろう
ってことだった。


考えた末に
答えはあるようで、ないのだと思った。


" 時ぐすり "


傷付いた心がふっくらと戻るには
時が癒してくれるのを待つしかないのだと
やはり思う。



怪我した指から血が滴り、ズキンズキンと脈打つように痛む時…それは気持ちの問題でもなく
気合いが足りないからでもなく
頑張っていないからでもないのだ


「痛み」というのは、しょうがないものだから


自然と傷が癒えるには時が必要で
時が経てば自然と傷が癒えてくる




心に負った傷も
本人が大丈夫、と思っていたとしても
はたまた気付いていなくても
癒えるには一定の時が必要なのだと。


彼の名前を口にすることさえ
まだ少し苦しいのは、
私なりに心からあの人を愛したという証なのだろう。



治りかけの風邪みたいなこの心はきっと
私が思うよりも深い所まで想いが刺し込んでいたということなんだろう


心が「もう大丈夫だよ」
と、言うその日まで待つしかないし
その日までそっとしておくしかない
頑張らないことで良くなっていくこと
癒えることもあるのだから。



今となっては彼が果たしてそんなに
いい男だったのかどうかさえ分からない

けれどそんな事はどうでもいい


私が「愛した」 という気持ちにケリがつくのか、つかないのか、ということがいちばん大切なことなのだろうな。



ひとつ、ひとつ
丁寧に嬉しい想いにも
悲しい想いにも向き合って

自分にとって誠実で
自分にとって素直で
織り目正しく生きていたい


そんな私でありたいなぁと思う。



今夜のブログは決して泣き言ではない
私の気持ちの移り変わりの記録だ。


大丈夫、と思っても
くすぶっていた種火を見つけることもあるのだなぁ、という記録だし

その種火を見つけたとしても
自分の決めたことを後悔したりはしない
ちゃんと考えて決めたことなのだから
という記録である。


私は愛を見つける、失う以前よりも
自分へ嘘なく誠実でいたい。


この街の夜は私を少し淋しくさせるけれど
私はそんな夜を越えてまた自分と一緒に生きていく。



こんな今日みたいな夜が
私の中にある信じる心と、納得と、決意と、未来への光をつくる成分になってくれているのだから。

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