見出し画像

大好評開催レポート「学校が『学習する組織』へと向かうために」

文科省による生徒指導提要の改訂版に、「学習する組織」という文言が入ったことを機に、令和の日本型学校教育と教師や学校のあり方について、ゲストを迎えて対話する場。申し込みは、録画参加も含めると約140名。当日参加でも80~100名近くの方にご参加いただきました。当日の様子をレポートします。

密度の高い場に集う皆さん

2時間の中に、ぎゅっとエッセンスが凝縮されていて、かなり密度の高い場だったと思うが、皆さん、最初から最後までずっと集中して場と共にいてくださることが画面越しに伝わってきて、私自身、終始胸が熱くなっていた。

全国の学校の先生、学童指導員やスクールカウンセラー、様々な持ち場で子どもたちと日々向き合っている皆さんの真剣さと情熱がひしひしと伝わってきた。

「学習する組織」の世界観を体現しながら、源となって日本へ伝え続けてくださった小田さん。まさに「学び続ける教育者」をずっと体現している元校長先生の八木ちゃん。いついかなる時も偉ぶることなく、今起きていることから真摯に学んでいこうというお二人のあり方が、そのまま参加者の皆さんに伝わったことと思う。

参加者の方々もまた、チャットやブレイクアウトで内省と対話を深めていて、本当に皆さんステキで。こうして、学校を少しでもより希望を感じる場にしていきたいと願う皆さんの存在が、希望そのもの。

内省によって視座を転換させた先生のご感想

終了後に、千葉市で小学校の先生をされている元吉先生が送ってくださった感想が、まさに、内省によって視座を転換させていく「学び」そのもので、学校改革に取り組もうとされている全国の先生方にもきっと大きな気づきをくださると感じたので、許可をとってシェアさせていただきます。

土曜朝からとても素敵な学びの時間になりました!ありがとうございました。

今日の会で一番響いているのが、「学習する組織にしようとしないこと」という渋谷さんの言葉です。そうではなくて、すでに目の前で起きている変化に気付くこと。苦しむ職員や保護者や、何より子どもたちを見ていて何とかしなきゃと焦るあまり、「変えていくぞオーラ」全開で職員室に存在していた自分がなぜ十分なつながりを生み出すことができなかったのか、わかったような気がしています。

今日のお話を伺いながら、どれだけ相手のことを知ろうとしていたのか?どれだけ話を聴けたのか?どれだけ自分自身の願いと向き合ってこられたのか?と、様々な問いが立ち上がっています。

なぜ人や組織は学べないのか?に対して、僕は「その人に学ぶ意思がないからだ」とジャッジしてきました。教育の歴史を伺っているうちに、自分がしてきたのは、構造の問題ではなく個人の問題にすることだったんだ、とも気付きました。

同僚と対話をするときは極力、「奥にある願いは何だろう?」と意識するように心がけてはいたものの、「変えていこう」という意識が強すぎて、きっと相手に圧がかかっていたんだろうなあと思います。自分が正しいと思った瞬間に分断を生み出す、まさにその通りでした

じゃあ、改めて次の一歩をどう踏み出すか、についてもたくさんのヒントをいただきました。小田さんがシェアしてくださったループ図の、「初期の火起こし行動」、これを自分はやってきた。けど、火の起こし方が違っていたんだなと。自分が他人に火をつけようとしていたら放火だけど、そうじゃなくて、その人が自分で、必要な時に必要な火を心に灯せるような、そんな関わり方ができたら素敵だなと考えました。そういう自分が実現できたら嬉しいなと、一つ願いが生まれました。

そのために、日常の中でどんな関わりをしていこうかな。どんな構えで人の話を聴こうかな。できることがまだまだたくさんある気がしてきて、ワクワクしています。目の前の人や出来事を、大切にしていこうと思います。

他の方のチェックアウトの言葉もシェア

  • こどもたちの命の声とともに、先生方の命の声を聞かせていただきたい。忙しさの中で忘れてました。改めて思い出すことができました。

  • とても心に染み入るお話をたくさん聞くことができましたし、私がやっている小さな1歩1歩をこのまますすめればいいのかなと思えました。

  • 今の学校のこと考えていることがたくさんいることが知れてとてもうれしかったです。

  • 3人のお話、皆さんとのお話やチャット、とても気づきが多く、問いも生まれたし、エンパワーもされました。

  • 対話ができる組織に変化していくためにも、組織や教室で心理的安全性を醸成できるようになるためにも、まずは先生一人ひとりに、安心して「聴いてもらう」、評価判断なくあるがままの命を大切にされる体験をしてもらいたいなぁ願っています。

  • 先生たちが無意識に縛られている社会の通念。こういう先生が指導力がある。こういう授業が良いという保護者の意識を変えていくことも大事な事なのかなと思いました。学校組織をどの範囲までと考えるか?学校は社会と複雑に密接に絡まり合っているので、教員の意識が変わっても、さらに大きな壁にぶつかることになる気がしました。

  • 久しぶりの濃い朝、大きな充実感を感じています。

  • すべての命はよりよく在りたいと願っている。お互いの命に貢献しあおうと思っている。それが何かの構造や恐れで一時的に失われていることがあっても、焦らずに長い時間でみたら、世界はよくなっていっている。命を社会を信じよう。そう思いました。

  • 学校のことを良く知らない今の自分をそのまま受け入れ、願いに向かって進んでいきます。都度都度、自分にがっかりしたり思うように進まなかったりするのも当たり前。ここにたくさんの方がいらっしゃることが、私の力になっています。素敵な機会をありがとうございました

  • 自分の命の声、そして子ども、先生、全ての人の命の声を聞く。大切にしたいと思いました。

  • 今日は貴重な機会に恵まれました。ありがとうございました!チーム学校として地域社会全体で「学習する組織」となるよう、まずは自身ができる学習する習慣を!と思います。

学びと対話の場を開き続けます

このような内省と探究の場を、今年もまた夏休み明けに開きます。「学習する組織」を実践するために大切なことは、一人の「気がついた(アウェアネス)」存在を孤独にしないこと。同じように、未来のために学校をよくしたいと願う人たちが集い、対話できる場を開き続けること。

ぜひまた、土曜朝にお会いし、共に対話して参りましょう!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?