絵画でみる「ルノワール」の生涯展
はじめに
ピエール・オーギュスト・ルノワールと言えばどんな絵画を描いていたイメージがありますか？
一番初めに思いつくのは、印象派ということではないでしょうか？
もちろん、印象派的な絵画を描いていた時期はありました。しかし、ルノワールは78歳まで生きており、その長い人生全体で見ると一側面でしかありません。
今回はそんな彼の人生を、厳選した10絵画とともに見ていきましょう。
ピエール・オーギュスト・ルノワール
絵画を見始める前に前提知識として、簡単にルノワールのご紹介をします。
ルノワールは1841年、フランス中南部の磁器の町リモージュで生まれます。
父は仕立てや、母は針子と一般的な労働者階級に生まれており、他のルノワールと関わりの深い画家たちがブルジョワ階級であったのとは対照的です。この点は今後のルノワールの画家人生に大きく関わってくる重要な点なのでぜひみなさん覚えておいてください。
その後、1854年の14歳の時に磁器の絵付け職人の見習いを始めます。
そして、見習いが終わりいよいよ本格的に働き始めようとした18歳の折に産業革命が起こります。
それにより陶器や磁器にプリントの絵付けをする方法が発明され、ルノワールは職を失ってしまいます。
その後もいくつか職人としての仕事を行い、最終的に1861年に画家になることを決意します。ここからルノワールの画家としての人生が始まります。
例えば、
・官営の美術評価展であるサロンへ挑戦した時代。
・印象派仲間と印象派展を開き、作品を出店していた時代。
（この時代が一般的には一番有名かもしれませんね。）
・その後、再びサロンへ挑戦した時代
・古典主義への回帰を計った時代
・画家としての評価を確立した晩年の時代
などがあります。
様々な時代にルノワールが何を考え、どのような絵画を描いたのでしょうか？
それでは、実際に10枚の絵画を見ながら、一緒に楽しんでいきましょう。
展覧会内絵画
まずは、展覧会内に登場する絵画たちを高画質でじっくりご覧ください。非常に有名な絵画たちばかりとなっています。絵画をクリックいただくと、高画質にて拡大絵画がご覧いただけます♬
ぜひ、細部までじっくり、ご堪能下さい。
ここで、本記事をご購入いただくに際して、実際の記事の内容の一部をご紹介します。
ルノワールの代表作で非常に有名な《雨傘》について、紹介している内容の一部を無料で公開します。
ぜひ、本記事を購入する際の検討材料としていただければ幸いです♬
0. のぞき見 お試し 《雨傘》説明一部
《雨傘》をご紹介します。
本作は多くの画家が題材にした近代的風景を描いた作品です。
こと、ルノワールにおいては印象派的な表現技法に苦悩し、そこから変化していってる様が見て取れる作品として有名です。
どういう点に表れているかお分かりでしょうか？
画面に向かって絵画左側の人物達はくっきり描かれているのに対して、
右側の人物達はぼやけているような印象を受けませんか？
まさにここにルノワールの苦悩が見て取れるのです。
まず右側画面手前の傘を刺した女性とその子供と思われる二人組を見てみましょう。
こちらは印象派の技法により描かれています。絵画内で絵具を並べ視覚的に色を混ぜる
・筆触分割を用いている
・輪郭線を描かない
・自然界に存在しない純粋な黒は使わない
などの特徴があります。
今まで見てきたルノワールの作品によく見られた特徴ですね。
対して左側ですが、画面手前の女性と男性（実はルノワール本人）に注目してください。
違いがお分かりでしょうか？
最たる違いは、輪郭線が描かれていることです。
これは従来の古典主義的な線を大切にする表現技法です。
それ故に、上述した、同一絵画内の左右で、「くっきり」と「ぼんやり」という視覚的な違いが生まれているのです。
では、なぜこのような変化がルノワールに起こったのでしょうか？
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