もし働く必要がなかったら?
If I didn't have to work...
(もし仮に、働く必要がないとしたら…)
「この後に続く自分なりの答えを言ってみて。」
英語の仮定法を学ぶ単元で、先生は私にそう言った。
働く必要がなかったら、か。
1社目でボロボロになって辞めて、業務委託として入っている別の会社でも最近悩みの多い私にとって、これは最高に嬉しいシチュエーションだ。
「働く必要がない」というのは、具体的にはさまざまな状況が考えられるが、たとえば宝くじで5000億円当たったとかで、お金の心配がほぼ一生なくなるという意味だと想定しよう。
もし働く必要がないとしたら、旦那を連れて、常夏の土地に移住する。
きれいな海にすぐ触れられる、浜辺の近くに家を建てる。
晴れた日は海に出て、泳いだり、浜辺でウクレレを弾いたりする。
天気の良くない日は、家の中で小説を書いたり、本を読んだり、犬を愛でたりする。
たまに、絵の具で自由に絵を描く。
新鮮な現地の食材を使って、美味しいお食事を作る。
だけど、それだけじゃ、なんだかつまらない。
ダンスを始めてみよう。
ミュージカルも。演る側にも興味があるから。
せっかくなら人一倍練習して、センターや主役を務めたりしてみたい。
だけど、これでもまだ、なんだかつまらない。
少し刺激が足りない。
そうだ、
せっかくなら、みんなが憧れそうな生活をしているんだから、vlogでも撮ってYouTubeに上げてみようか。
何人チャンネル登録してくれるかな。
書いた小説もきっとおもしろい。
新人賞にでも応募してみよう。選ばれれば、出版できる。
料理だって上手になれば、小さなレストランくらいは開けるかもしれない。
現地の人を招いて、くつろぎのひとときを過ごしてもらいたい。
ウクレレやダンス、ミュージカルは、まだまだアマチュアレベルだからプロにはなれないだろうな。
でも表現のセンスが全般的に磨かれれば、何かに活かせるはずだ。
人々はこうした私の取り組みに、いくらほどの価値を感じてくれるだろうか。
いくらの稼ぎになるのだろうか。
楽しみだ。
結論、私は働く必要がないとしても、自分の強みを活かしてお金を稼ぐことを目指すだろう。
もちろん、お金の心配が全くない状態で仕事をするのと、それを辞めたら家計が崩れるとわかりながら仕事をするのでは、全然違う。
だけど、「強みを活かしてお金を稼ぐ」なんてのは、今すでに実現していることだ。
新しいことだって、始めようと思えばいくらでも始められる。
結局私に不足しているのは、「今」を享受する心と、あと一歩踏み出すエネルギーなのかもしれない。
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