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「一流の頭脳」を読み終えて

昨日「一流の頭脳」を読み終えました。

ボリュームがある内容ですが、とても興味深い内容で夢中になって読みました。

そもそもこの本を読む前に同じ筆者の「スマホ脳」を読みました。

「スマホ脳」の内容を抜粋すると、

・スマホ依存は精神的不調(うつ、集中力や注意力の低下、幸福感の低下、我慢強さの低下)をもたらす
・スマホの普及と比例するように、この10年で精神科へ受診する若者が急増
・特に脳が未発達の子供は、スマホ依存による悪影響が出やすい
・抗うつ剤を使用する大人も急増(筆者の母国のスウェーデンでは、9人に1人が抗うつ剤を服用)
・SNSを使用する時間が長ければ長いほど幸福感が薄くなる
・「スマホの時間を制限する」という選択肢以外に、「運動」が大きな解決策となる
・運動がもたらすのは「健康」だけでなく、脳のコンディションも挙げられる
・子供は毎日1時間、大人なら週2時間の運動は必要不可欠

ということがわかりました。

そこから、

「脳と運動の関係」
「運動がもたらす効果は一体どれだけあるのか?」

に興味が出たため、こちらの「一流の頭脳」も読みました。

言いたいことがありすぎて、ボリュームのある記事になってしまいました。必要な項目だけでも見ていただいて、参考にしてもらえたら幸いです。

「変わらない脳と変わる生活習慣」

まず、

「脳は1万2000年前の我々の祖先からほとんど変わってない」

という事実からスタートします。

けれども、この100年で生活習慣や活動様式は大きく変わりました。

「生活様式」
・飢餓の心配はない、物も豊か、テクノロジーの発展
「体を動かさなくなった」
・食料を手に入れるための狩猟や採集が必要なくなったこと
・敵から襲われて逃げる必要もなくなったこと
・1日1万4000~8000歩歩いていた我々の祖先と、5000歩に満たない人が大半の現代

脳はそのままで、生活習慣は急激な変化。

このミスマッチによって、心身ともに異常をきたしているのが現代です。

以前の記事にも書いた「睡眠がこの100年で大きく削られた」という内容にも通じる話です。


一つ例を挙げれば、

「いつ食料が手に入るのかわからないので、カロリーを取れる時に取っておこう」というのが当たり前の時代が長くありました。取れるときに取っておかないと、飢餓で死んでしまうリスクがあったからです。

そして、その何万年も前の脳の働きが現代でもそのまま残っているので、

目の前にご馳走があったり、CMで美味しそうなスイーツが紹介されていたら食欲が暴走するのは当然のことと言えます。理性ではなく本能が欲しているので、もう止められません。

その人間の本能をたくみに刺激してくるのが広告です。各国の天才と呼ばれる人たちが巧みに人間の本能を刺激するための策を日々考えているので、もうどうしようもありません(笑)

そうして、カロリーオーバーが通常になり、肥満になり、病気になる。

これも「変わらない脳と変わる生活習慣」のもたらした一つの弊害と言えます。


「良い脳と悪い脳」

昔から変わらない脳の仕組みを利用して、様々なトラップが仕掛けられている現代ですが、そもそも「良い状態の脳」とはどんなものなのか?
これも著書の中で明確に示されてます。

良い脳とは

「脳内にある各部位の連携が取れていること」

とあります。

前頭葉、側頭葉、後頭葉・・・など、それぞれがうまく連携することで脳の機能が上がるそうです。

脳の大きさや細胞の数ではなく、脳内の連携がうまく取れていることが脳の良い条件と言えます。

で、この連携は加齢とともに低下すると言われます。

物覚えが悪くなった、集中力が低下した、やる気がでない

年齢とともにこのような症状を訴える人が多いのは、加齢と共に脳内の連携が低下することが原因とされています。

カッとなりやすい
頑固になる

というのも脳内の連携が低下している一つの症状だそうです。

確かに、こうゆうおじいさんいますよね。笑

また加齢だけでなく不安、恐怖、ストレスでも脳内の連携は低下、つまり脳の働きは低下します。

これは「SNS」を利用する時間が長い人ほど低下すると言われます。

つまりスマホが普及した現代では、加齢だけでなく若年層でも脳の働きが低下している人が激増していると言えます。

脳の働きが低下することは「老化」とも言えるので、若者でもすでに老化がはじまっている、というなんとも言えない現状があります。

「最強の解決策」

で、ここからが本題ですが、そのような加齢やストレスによって低下する脳の働きを復活させてくれるすごいツールがあります。

それが「運動」です。

運動によって脳の働きが向上した、つまり「脳が若返った」というデータはたくさんあります。

一つの例として60歳の被験者数百人を集め、

週に数回のウォーキングを一年間続けてもらったところ、

・健康になった(健康診断の数値向上、生活習慣病リスク軽減)
・認知機能向上(自発的行動、感情のコントロール、注意力向上)

という効果が、参加者のほぼすべてに見られたというデータがあります。

また、うつ病と診断された患者を2グループに分け、

・一つのグループは「抗うつ剤」を服用
・もう一つのグループはランニングを週3回30分(ランニングができない人はウォーキング)

を実施してもらったところ、どちらのグループもうつ病の改善が見られたという研究もあります。

そしてこの研究には続きがあり、

ランニングのグループは抗うつ剤による副作用「のどの渇き」「食欲の増大」「全身の疲労感」が出なかったこと
ランニングのグループは、抗うつ剤のグループよりも「うつの再発率」が異常に少なかった

というデータも出ました。

つまり「運動は抗うつ剤と同等かそれ以上の効果がある」という結論になりました。

「運動がもたらす効果」

著書にはその他にも運動がもたらす効果がたくさん挙げられていたので、箇条書きでまとめていきます。

①脳が若返る
②ストレス、不安の軽減
③集中力、注意力の向上
④学力向上
⑤物事の習得が早い(運動により脳内の連携が向上しているので、物覚えも早くなる)
⑥幸福感の向上
⑦抗うつ効果
⑧性格が変わる(社交的で、神経質な面が減る)

運動によって「健康になる」「痩せる」というだけでなく、このような多数のメリットがあるのは驚きです。

これはあくまで個人的な経験ですが、⑧の「性格が変わる」というのは現場でトレーナー活動をしているとものすごく感じる点です。

運動が習慣化されればされるほど、気持ちも明るくなり、活力が増すお客様をたくさん見てきました。「ストレスに強くなり、チャレンジ精神が増す」という印象です。

ストレスがかかる経営者や医療関係者に運動を習慣化されている人が多いのも、感覚的に運動がストレス解消につながっていることが理解できているんだと思います。

また、「注意散漫」「落ち着きがない」という、いわゆる「ADHD」にも運動は効果的と言えます。

そもそも「本当にADHDなのかどうか?」はグレーゾーンも大きいそうです。

もしかすると、スマホ依存による脳の低下で注意力が散漫になっているだけだとしたら、運動の時間を増やしてあげることで注意力や集中力の向上ができるのではないか、と僕は仮説を立てています。
これからジュニアの指導をしながら様子を見ていきたいと思っています。


「まとめ」

脳は変わらないのに、生活習慣が劇的に変化することで心身の不調が激増している現代。

そしてその解決策となるのが「運動」だよ、という内容でした。

ちなみにどのような運動が良いのか?ということですが、

筆者は心拍数があがる「ランニング」「サーキットトレーニング」を進めていました。
頻度は週3回、理想は30分。
運動の効果は運動した後も続くので、できれば午前中がオススメ、ということです。

パーソナルトレーナーとして捕捉させてもらうと、心拍数をあげる運動をいきなり始めると長続きしない可能性があるので、負荷の軽いウォーキングやストレッチから始めることをオススメします。

大事なことは「運動の習慣化」なので、運動が習慣化してしまえばランニングでもサーキットトレーニングでも習慣として続けられるはずです。


これからさらに便利な世の中になると思いますが、便利であることが健康や幸福感につながるとは言えないのが真実だと思います。

便利になればなるほど、

人間が動かなくてもいいような世の中になればなるほど、

ますます「運動しているかどうか?」が大きな差になると、痛切に感じてます。


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