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高校を辞めた日・音楽に燃えた日

自分は高校2年から不登校になった。自称進学校の男子校。実情は進学なんて指定校推薦のみで一般入試を勝ち抜く学力なんてなかった。

いじめがあった。ひがみがあった。そして田舎特有の野次馬根性と強い同調圧力があった。
お隣さんの評判に一喜一憂する社会。周りを常に気にしなければならない自己表現の乏しさ。そして、出来るだけ目立たないようにという横一列の平均さ。
音楽をやりながら生活するにはあまりにも不自由なムラ社会。

自分は18の時にはすでに不登校だった。暗闇に包まれる夜。自分の部屋だけ煌々と明かりがついている。

音楽を聴いた。楽器を弾いていた。そして、心はすでにこの街にはなかった。
ある日、自分の単位が足りず、留年が確定したと知らせが入る。

悲嘆にくれる家族。そして、モノトーンの自分。感情はなく、そのままの感情で『大学入学資格検定(現:高卒認定)』を受験することを即座に決めた。

辞める前日、少し投げやりな気分でドラッグストアに行った。

ハイブリーチ

そして、ヘアマニキュア グリーン


なぜ緑にしたかったのだろうか。自分でもよく分からないが、とにかく髪の毛では反骨精神を表したかったのだろう。

緑に染めたまま、1年後


ボクは予備校に通っていた。髪の毛は緑のまま。
モノクロの世界から、いきなりカラーの世界に移った気分だ。そんな19歳の夏。自分の本当の青春が今、まさに始まったのだった。

#髪を染めた日

福島県のどこかに住んでいます。 震災後、幾多の出会いと別れを繰り返しながら何とか生きています。最近、震災直後のことを文字として残しておこうと考えました。あのとき決して報道されることのなかった真実の出来事を。 愛読書《about a boy》