「オタクやーい」と言うコンテンツの話
※挿絵はDALL·Eを用いています。
何かにつけて、人のことを否定しないと生きていけないタイプの人間はいて、そう言う人は何かしら自分より劣った属性を付与した人間を見下すことによって、自分はそれよりも立派で存在価値があると考えなければ、自分の存在意義について不安になる人間がいるのだ。
これは特別な話ではなく、人間が一般的に持ちうる適応機制のひとつだ。
別段求めてないのに、収入や学歴、職歴や社会的地位、何らかの業績、家族や自分の支配下にある男や女について語り出す人間とは、本当に嫌と言うほど出くわすものだ。
彼等はそうやって相手より自分が優れていると思わなければ、他人と対面していて自己を保てないのだ。
もっと言えば、こういう人間の性向を利用する商売があり、詐欺が存在するわけだ。
X(Twitter)なんか見ていると、この手の人間を出くわす。
オタクは部活をしたことがないから弱いとか、障害者は健常者が見下すために存在しているとか、車を持たない人間は世界が狭いとか、ここ数日適当に目にしたものだけピックアップしても大量に出てくる。
そう言う傾向は、具体的にどういう特性に多いと言うのではない。
それぞれのカテゴリの中で、満足を得られない人間がそう言う事をするのだ。
オタクの中でも半端者が、他のジャンルのオタクに喧嘩を売り、テストステロンが強い系男子の集まりの中、収入が振るわない人間がオタクを馬鹿にする。良い感じに高収入の男子をゲットして結婚にまで至れなかった事実上の売春婦が男は女を搾取してると言い出したりしている。
こればっかりは人間の特性としかいいようがない。
ただ、オタクコンテンツは、この手のネタとしては一定の年代以上には便利だろう。
今の1980年代生まれより上の世代は、カジュアルにオタクを馬鹿にしていいものと言う意識が強くて、その価値観のアップデートが追いつかないと、すぐに「オタクのくせに」と言う意識を持ちがちだ。
或いは、そう言う世代にシンパシーを感じてる、ちょっとアレな子も同じ感じだろうか。
勿論、オタクの中にも同じような意識があって、純文学オタはすぐにSFや恋愛小説を馬鹿にして、SFや恋愛小説読んでるようなオタクはラノベを馬鹿にする。ラノベ世代もなろう系を馬鹿にしてる奴とかいそうだ。
或いは、アニメオタクがケモナーを馬鹿にして、ケモナーがケモ着ぐ界隈を馬鹿にするなんて傾向も割とよく見る。
結局、人間何らかの方法で誰かを見下さないと生きていけないなんて連中が多いのだ。
逆を言えば、そう言うものをつまらないものと悟れば、もう少し自分の人生を自分でコントロール出来るようになるのではないだろうか?
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