終わり良ければすべて良し。
先日の出来事。
大学時代の後輩の出産祝いに行く途中で、ラインでやり取りをした。
自宅を出てすぐ「1時前に着くけど、早すぎる? 時間つぶしてから行こうか?」と打つ。
待ち合わせは1時ごろ。
電車に乗ること20分。後輩の最寄駅に着いてしまった。でも既読がつかない。あれ?
前日のラインを確認した。
「2時頃に行くね」と私は送っていた。
間違えてるやん。
1時間も勘違いしてた。
だからその旨、伝えて近くの百貨店でぷらぷらと暇をつぶすことにした。
1時15分頃に、返信が来た。
「娘がいま、食事中ですが、いつでもどうぞ」
ちょうど私は小さいものを買い物中だった。
後輩が自宅への行き方をメッセージしてくれたので読む。ふむふむ。
画面を閉じようとして「あ!」と思った。
「娘?!」
出産祝いは男の子用のお洋服を持っている私。
え・・・男の子だと思い込んでた。
え・・・これ、どうしよ。
ラインをいくつか読み直すと、「○○ちゃんが」とかのお名前を見つけた。
なんてこと・・・。どこまで私はうっかりしてるんだろう。
待ち合わせ時間は間違えるわ、お子さんの性別も勝手に勘違いしてるわで、相変わらず私はね。どうにもならない。
さすがに男の子用のお洋服をそのままお持ちするわけにもいかず、すぐに子供服売り場に移動して、女の子用のお洋服を選んで購入した。
そもそも赤ちゃんは何歳なんだろう。1歳になっているのだろうか。90センチのお洋服でいいのだろうか。
何も確認していない自分って適当すぎる。
送ってくれた説明通りにお宅を探した。
道はなんとなく知ってたし、余裕余裕と思って向かった。
私は死ぬほど方向音痴のくせに、いつもなぜか余裕な気持ちを持っている。でも自分が思っている以上に現地にたどり着けないことがもう何度も起こっているので、最近は自分は目的地に1人で行ける人ではないと自覚するようになった。
どれほど簡単そうな地図だと思っても、自分を信用しないことにした。
雨の中、1時間くらい目的地を探して心が折れかけて泣いてしまいそうになったことがある。自分の地図の読めなさぶりに疲れ切った。
いや、グーグルマップが使えないというべきか。機械ものは信用できないと思っているが使ってみたら便利そうだった。だからいざという時は使う。そのときもグーグルマップをオンにしていた。それでもなぜか行きたいところへ行けない。どうにもならない。
「私は1人ではどこにもたどり着けない」
最近はそれを前面に押し出すことにしている。
この日はグーグルマップは使っていない。
だって百貨店からまっすぐ行くだけの道順は何も難しくないはずだ。さすがの私でも行ける。自信がある。
念のため、信号待ちしているサラリーマンに「これは○○通りですか?」とだけ確認した。散々歩いて、歩いている通りが間違っていたら延々にたどり着けない事態を招くからだ。
なお、ここを歩いていてその「○○通り」を分からない自分はすごすぎる。この辺りではもっともメインの通りだし、私はここへはもう20年近くの間に何度も来ている。それなのに分かっていない自分は、もしや最強かもしれない。誰も私の真似はできないはずだ。
時刻はすでにはじめの待ち合わせの2時を少し過ぎていた。
通りは合っていたらしく、ちょっと歩くだけですぐに入り口が見つかった。
やっぱり余裕だった。
ピンポンを押す。
するとインターホンから聞こえた声はこれ。
「先輩、違います」
プツリと音は途絶えた。
え? 違うって何? なぜインターホンが切れたの? え?
ラインを確認する。
「そのはじめに出てくる入り口はスキップしてください」と書かれていた。
読んでなかった。
前半を見ただけで「余裕」と思って後半を切り捨てた私は、やっぱり適当すぎる。
すぐにラインに電話がかかったので、「ごめん、スキップって書いてたねー」と答えた。
そしてようやく正しい入り口に入る。
目印に「白いお花」と書かれていたとおり、白いお花が私を出迎えてくれた。
うん。さっきのはじめの入り口には「白いお花」は確かになかった。ないなぁと思いながらも「気のせいか」と無視した。やっぱり私は・・・。
まぁ、そんな私だけど、なんだかとても楽しかった。
後輩とは3時間以上おしゃべりに盛り上がった。
赤ちゃんは劇的にかわいかった。
私の持っていった女の子用のお洋服がよく似合っていた。
万事オッケー。
完璧だ。
#エッセイ #性別 #出産祝い #女の子 #道 #方向音痴 #時間
翌日に後輩がくれたラインには「1年半ぶりに大笑いした」と書いてくれていた。それはよかったよ。大笑いしてもらえて幸せです。
お気持ち嬉しいです。ありがとうございます✨