あぁ、27年ぶりに。

このニュースに、あぁ、とショックを受けた人は日本でどれだけいるんでしょうか。私はその一人です。彼が無冠だなんて衝撃的です。ありえませんよ、絶対王者なんですから。あ、将棋界の話です。

12月20、21日に行われた第31期竜王戦七番勝負の第7局で、羽生善治(はぶ よしはる)竜王が挑戦者の広瀬章人八段に167手で敗れて防衛に失敗し、竜王位を失冠し無冠となりました。彼のタイトルがゼロとなったのは27年ぶりのことです。

そもそも27年間、無冠になったことがないということ自体がとんでもなくすごいことなんですが、私にとって彼は将棋界の王なので常に何かのタイトル保持者であることを当然のことのように思っていました。

昨年には叡王(えいおう)以外の7つのタイトルの永世称号をすべてそろえた「永世七冠」を達成し、将棋界初の国民栄誉賞を受賞したと大きく話題になっていました。今期の竜王戦は勝てばタイトル通算100期という前人未到の偉業に、負ければ無冠という大勝負だったんです。

彼の無冠転落を受けて「将棋界は戦国時代に突入」なんていう報道も見られますが、本当に誰がどうのしあがってくるか見えなくなってきますね。ほんの2年前にプロデビューしたまだ16歳の藤井聡太(ふじい そうた)七段は、信じられないスピードで七段まで登りつめています(プロは四段からスタートします)。とにかくなんだかんだ片っ端から将棋界の最年少記録を塗り替え続けている彼の活躍からも目を離せないです。こういう若い世代が果敢に将棋界の大御所たちに挑む姿はワクワクされられます。

とはいえ羽生棋士は何度も苦難に立たされながらもこの四半世紀をトップ棋士として走ってきたレジェンドですから、ここで終わらないと信じたい。挑戦する心を持ち続けるすごい人なんです。「力をつけてまた新たに臨みたい」と彼が語る言葉通りの新たなスタートを願わずにはいられません。

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