瞬間

好きかも・・と思った瞬間、君との距離が気になった。

一緒に並んで座っている椅子の距離がね、近いことに突然気づいたんだ。

ただの同級生だと思ってた君だったのに。

君の髪が教室の窓から入ってくる風に揺れて、シャンプーの優しい香りが僕の嗅覚を刺激したときにさ、ドキッとしちゃったよ。

前から君のことはかわいいとは思ってたけど、突然湧いた「好きかも」は僕の心臓を速くしたんだ。

ねぇ、君の笑顔ってそんなに色っぽかったっけ？

かわいさのなかに女性が見えた。

君が椅子にかけている手がかすかに僕の右ふとももに触れそうで、たまらなく緊張するよ。

君が話している数学の公式が僕の頭の上でふわふわと素通りする。

勉強に集中できない僕に、どうか気づかないで。

あぁ、さっきまでは君はただの同級生だったのにな。

ドキドキが止まらない。

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