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『癒やしの日本美術 ほのぼの若冲・なごみの土牛』 山種美術館

快晴の中、山種美術館に。この季節だと恵比寿駅からの坂道も快適。

タイトルにもある伊藤若冲、奥村土牛だけでなく長沢芦雪、竹内栖鳳、上村松園、川合玉堂、横山大観、平福百穂、土田麦僊、安田靫彦、伊藤小坡、山口華楊など、どれも素晴らしい作品ばかり。
3周しました。

チラシのメインビジュアルの作品が若冲だったと、観覧中に気付きました…若冲といえば《動植綵絵》のイメージが強かったのですが、全く違う作風のものも多数あるのですね。

会場入ってすぐに若冲の《布袋図》が出迎えてくれるのですが、《お福図》《鶏図》と一度観ると忘れられないインパクト。
特に《鶏図》の鶏のデフォルメ具合はセサミストリートのビッグバードを感じます。

個人的には芦雪の《月見布袋図》の方が好みでした。月を見上げている布袋さんなのですがなんとも言えない満足気に惚けている感じが羨ましいし微笑ましい。

《菊花子犬図》はいつの時代に観てもかわいい作品。仔犬が9頭わちゃわちゃ戯れています。個人蔵でしたが唯一撮影OKでグッズも多数販売されていました。

《菊花子犬図》長沢芦雪

上村松園の《杜鵑を聴く》《折鶴》も素晴らしい。近くで観ると髪の毛が一本ずつ異なる向きで線を引かれていて繊細さが凄い。

《折鶴》の隣に展示されてる伊藤小坡の《虫売り》。売り子が羽織っている黒っぽい透明地の生地から、その下の着物がまさに透けてるように描かれていて凄い技術。

売り子が下を向いてるので表情は見えませんが明らかに美人であろうことが伝わります。

※以下は高岡市美術館所蔵の伊藤小坡《虫売り》。今回展示のものとは異なります

昨年の竹内栖鳳展でも観た可愛いさ満点の《みゝづく》《鴨雛》に続いて展示されていたのが、山口華楊の《生》。

おそらく生まれて間もない仔牛が小屋で休んでいる姿なのですが、神々しく浮かび上がってくる感じがするのです。今回はこの作品が一番良かったです。

山種美術館はキャプションに作品名と制作時の作家の年齢が記載されているのがとても良いです。「80歳でこの若々しい作品!」など違う視点でも楽しめます。

※こちらの記事で作品の画像見れます。

 次回は今回のかわい動物たちから打って変わって『花flower華2024』のようですので、桜の季節まで楽しみに待とうと思います。

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