『ライトアップ 木島櫻谷』 泉屋博古館東京
泉屋博古館東京の『ライトアップ木島櫻谷』に行って参りました。泉屋博古館東京と言えばすっかり“木島櫻谷”です。
今回も神谷町からエスカレーターで坂道を上がり遊歩道を抜け現地に。
前回気づきませんでしたが遊歩道は桜並木でございました。
タイトル通り木島櫻谷祭りの内容なのですが、前回『日本画の棲み家』同様、大阪・茶臼山にあった住友本家本邸の為に制作された作品が中心。
まずは「四季連作大屏風」がドドーンと展示されてます。もう、これを見れただけで来た甲斐あり。
《雪中梅花》《柳桜図》《燕子花図》《菊花図》《竹林白鶴図》が一部屋に展示。
どれも相当大切に保管されてるのでしょう、真新しく感じるくらい綺麗です。
なかでも、桜の時期というのもありますが《柳桜図》が良かったです。柳と桜が重厚に重なって描かれているのですが、まー素晴らしい。しかも柳の色が独特のエメラルドグリーンで高貴さを感じるのです。
今回も「いま自分は住友家の大広間に招かれている」という妄想に浸りながら、広い展示室でじっくり鑑賞できました。「独り占めできる美術館」ならではの素晴らしい体験です。
第二章では木島櫻谷に影響を与えた円山四条派の作品が櫻谷の作品と並んで展示。こちらも良かったです。
狸を描いた、伝 森徹山《檀鴨・竹狸図》と櫻谷の《秋野老狸》。狸も日本画でフューチャーされるのですね。
そして、インパクトがすごい櫻谷の《獅子虎図屏風》。ライオンがとても緻密に描かれてます。生で見たことありませんが竹内栖鳳の獅子図にも負けてないのではないでしょうか。
2027年に生誕150年、没後90年を迎える木島櫻谷。泉屋博古館東京の野地館長によると、3年後の2027年に大規模な回顧展を企画しているようです。それまでに櫻谷の再評価を継続的に手掛けていくと。
なるほど、どおりで昨年6月の『木島櫻谷ー山水夢中』、11月の『日本画の棲み家』、そして今回の『ライトアップ木島櫻谷』と、1年に3回も特集されてる訳ですね。
加えて住友家15代当主・住友春翠も必ずフューチャーされています。
勝手な想像ですが…
三井家には円山応挙の《雪松図屏風》があり、三菱家には《曜変天目》や橋本雅邦の《龍虎図屏風》など誰もが知る定番があります。
泉屋博古館東京としても木島櫻谷の定番化を目指されてるのかなと。かわいい動物の絵が多いので万人受けするのも確実ですし。
少し前の東近美にもかわいい親子鹿を描いた《しぐれ》が目立つ所に展示されてました。
広く認知を広げる為にも、是非写真OKの作品を増やしてもらえると良いのでは?と今後に期待しております!
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