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ヘルパンギーナ流行中

ヘルパンギーナ流行中

ヘルパンギーナとはどのような感染症かウイルス性の咽頭炎で、発熱と、口の中に水疱(すいほう)ができるのが特徴です。夏を中心に流行するため夏風邪の一つとしても知られています。感染者の多くは乳幼児です。

――国立感染症研究所によると、6月26日~7月2日の1週間に全国約3000の小児科定点医療機関から報告されたヘルパンギーナの患者数は2万360人でした。1医療機関あたりでは6.48人で、過去10年で最も多い数となっています。

 ヘルパンギーナの原因になるのはエンテロウイルスです。今年流行しているウイルスの型を見ても、特別な型が流行しているわけではありません。

 はっきりしたことは言えませんが、新型コロナウイルスの感染対策で病気になる機会が減って、免疫が低下したことが一つの原因と考えられます。

 ここ3年ほどは、人と接触する機会が減るなどしていたため、エンテロウイルスによる感染症は流行していませんでした。そのため、免疫を持たない子どもが増え、一気に広がったのだと思います。

 乳幼児の時に免疫を持たないまま成長した子もいるので、今後、より大きなお子さんにも広がる可能性があります。

エンテロウイルスが増殖するのは腸管

――感染経路を教えてください。

 ヘルパンギーナの原因ウイルスは腸管で増殖するため、便の中にウイルスが圧倒的に多くなります。そのため、ヘルパンギーナは糞口(ふんこう)感染や接触感染が主な感染ルートになります。

 おむつを替えたり排便をしたりした後でしっかり手を洗わず、その手であちこち触ったとします。その場所をほかの人が触り、ウイルスが何らかの経路で口の中に入ると感染します。

 ウイルスはのどの奥でも増えます。くしゃみや会話などで飛沫(ひまつ)を浴びたり、鼻水や唾液が手に付いたりして広がる可能性もあります。

――小さい子どもと接する機会のない大人も感染すると聞きます。

 免疫がない大人にも感染するので注意が必要です。小さい子どもと接する機会がなくても、例えば、公共施設のトイレの便座やレバー、蛇口が感染源になる可能性があります。電車のつり革や手すりなどを介して、感染することも考えられます。おむつを扱う人はしっかりと手洗いをしましょう。

マスク着用やアルコール消毒で防げるか

――新型コロナウイルス感染症が感染症法上の「5類」に移行したことでマスクを外す人も増えました。感染を防ぐためにもマスクを着用した方がいいのでしょうか。

 ヘルパンギーナに関しては、マスクの着用よりも入念に手を洗うことの方が有効です。せっけんやハンドソープを泡立ててしっかり洗い、水で洗い流しましょう。

――アルコール消毒をすれば大丈夫ですか。

 ウイルスには、「エンベロープ」という脂の膜があるものとないものがあります。膜があるタイプはアルコール消毒が効果を発揮しますが、ヘルパンギーナの原因となるエンテロウイルスは、膜がありません。アルコール消毒剤の中には、液体を酸性にしてそれらに効果がある製品もあります。

――感染したら、どのように治療しますか。

 解熱剤で発熱などの症状を和らげる対処療法をします。口の中の水疱が破裂して潰瘍ができると痛みが強くなり、水分が取りづらくなるので脱水症状に注意が必要です。たくさん飲ませすぎると戻してしまうこともあるので、少しずつ水分を取るようにしましょう。通常、2~3日で回復します。

――気を付けることはありますか?

 まれにウイルスが脳を包む髄膜や心臓に入り込み、髄膜炎や心筋炎などの合併症を引き起こすことがあります。頭が痛い、気持ち悪い、胸が痛い、ぐったりするなどの症状が出た時はすぐに診察を受けてください。

――RSウイルスの感染者も増えています。

 RSウイルスも鼻水や唾液などを介した接触感染で広がります。感染を防ぐには、ヘルパンギーナと同様、こまめに手洗いをすることが重要になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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