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真冬のヴェネチアで運河に落ちた話①

2020年2月に行った卒業旅行について、振り返りながら書いていきます。


”V”から始まる言葉をカタカナで表すとき、いつも悩んでしまう。バ行で表すか、ヴで表すか。”ベネチア”か”ヴェネチア”か。”バイオリン”か”ヴァイオリン”か。
”ヴ”はなんだか、カッコつけと思われてしまいそうで苦手だ。しかし、今回はカッコつけて長文を書きたいのでヴェネチアとする。


エピソード0

始まりは、2019年秋。まだコロナなんて全然関係ない時期だった。
次の3月に大学卒業を控えた私と友人。2人とも夏までに内定ゲット済、卒論をコツコツ進めつつ、バイトに勤しんでいた。卒業まで残り半年…。学生時代が終わってしまう前に、旅行に行きたいという話が出た。お金はないが、時間だけはある。卒業旅行でヨーロッパに行きたい。どちらが言い出すまでもなく私たちは同じ気持ちだった。

友人とは、大学に入学してすぐに出会った。学部学科語学が一緒で、グループでお昼ご飯を食べていたが、2人きりで会ったことないし話したこともない。一人で受けていた前期の授業があと何回かで終わるというときに、同じ授業を受けていたことが発覚し、一気に仲良くなった。そこから4年間ずっと仲良し。

私はヨーロッパに行くなら絶対に行きたい国があった。ハンガリーとオーストリアだ。高校の芸術鑑賞会で観劇した2014年花組エリザベートに傾倒し、エリザベートやハプスブルクを研究している先生のゼミに入りたいがために大学に入学したほどだった。
エリザベートの足跡を辿りたい。私の夢だった。
友人はせっかく行くなら、イタリアに行きたいと言う。2人の意見を最大限に反映できるように、目を皿にして旅行会社を探した。
大抵のパッケージツアーが「オーストリア・イタリア・チェコ」だった。特に、イタリアとチェコはセット売りなのか⁉と言うほど、2か国はべったりで探すのに苦労した。何とか理想と完全一致するプランを見つけ出し、どちらも親に許可を取って予約完了。パスポートも準備し、後は出発を待つだけ!

2020/2/11~2/25 の2週間。楽しみでいっぱい!!
2020年の年明け後くらいから、コロナやばいんじゃない?とちょっとだけ言われ始めていたが、この時はまだ大丈夫だった。マスクも持たずに日本を旅立った。

ハンガリーへ

夜中に日本を出発して、ハンガリー・ブダペストに到着。
始めて降り立つ東欧の空気は、少し乾燥していてイメージしていた”ヨーロッパ”を感じさせた。
ハンガリーの街並みは、想像していたヨーロッパよりかはキラキラしていなかったが、歴史を感じる石壁や建物の上の魔よけのようなガーゴイルなど、そこで営んできた人々の歴史の証を感じたような気がした。

ホテルに荷物を置いて、まずホテル付近のケバブ屋さんでケバブを食べた。日本にいるときは全然食べたことのなかったケバブ。ヨーロッパ周遊において、ケバブの金額は物価の指標になるらしい。確かに、その後周る3か国で、ハンガリーが一番価格が安かった。

腹ごしらえが済んで、私たちが向かったのはキラーイ温泉。
ハンガリーは温泉大国である。
なぜ知っていたかと言うと、これ↓を読んでいたから。

世界中の様々なハッテン場をめぐるレポ漫画。私はこのシリーズが大好きで全巻愛読している。自分が体験できないことを文章や漫画で見るのが大好き。
その中で、ハンガリーのキラーイ温泉はシリーズを通して何回も登場する。
一生に一回しか来ないかもしれないハンガリー、これは絶対にキラーイに行くしかない!!!
漫画内ではハッテン場として紹介されているが、とうの昔に国営になっており、現在は水着着用の男女混浴だった。
友人に事情を話し、水着を持参してもらった。

憧れの緑の壁

中の写真はないが、漫画の通りで感動した。奥行きのある小さい個室(試着室くらい)がたくさんあり、何に使うのか不思議に思った。ハッテン場として使われていたころの名残だろうか…?

浴室は広かった。
真ん中に大きいお風呂が1つあり、それを囲むように壁で仕切られたお風呂が4つ程あった。
まずは目の前のお風呂に入る。天井にドーム状になっており、穴が開いていて外の風が入ってくる。昼間だと光が差しこんで綺麗だそう。
ハッテン場だった当時、この一番大きいお風呂のど真ん中に立つと、”今日のお相手を募集中”という意味になったらしい。
真ん中に立ってみた。もちろんなにもないが、あの漫画を全身で感じることができて幸せな気持ちになった。
このお風呂の淵やこの浴場のいろんなところで、たくさんの洋熊(漫画内表現)たちがつがってきたんだね___。

ゆっくりお風呂に浸かり、キラーイを出た。
ブダペストは思っていたよりコンパクトで、散歩にはピッタリだ。

鎖橋
歩いて渡ると思わなかった

時差ボケもあったのか、この日はホテルに戻ってきた途端に眠ってしまった。

ハンガリー2日目

朝すっきり目覚めた。枕が変わっても環境が整っていればぐっすり眠ることができる。
ホテルで朝ごはんを食べて出発。カリカリベーコンとスクランブルエッグでチャージ完了。
この日、行きたいところは
・市場
・西駅のマクドナルド
・フォアグラ屋さん
・カフェニューヨーク
などがあった。

まずはトラムで市場に向かった。
お土産でフォアグラペーストとパプリカソースを買った。

お肉屋さんで見かけたハートのサラミ
日本じゃなかなか見たことない
ブダペストは作曲家リストの地元
手が大きい人だったらしい
素晴らしい演奏で女性を気絶させたとか

余談だが、ハンガリーで人生初めての交通事故を目撃した。
大きい交差点で車が衝突し、オイルが漏れ出ていた。
若く見える背の高い男の人が、頭を抱えながら車から降りて呆然と事故現場を見ているのを見て、欧米かと言いたくなった。
かなり若く見えたから、親の車とかだったのかな…。

夜はドナウ川のクルージングを楽しんだ。
日本にいるときから予約していてかなり楽しみだった。
シャンパン飲み放題でテンション上げ♪

クルーズ船から見た、世界一美しいと言われる国会議事堂
輝いてた

クルージング後、フォアグラ屋さんへ。
初フォアグラ、めちゃめちゃおいしかった!
あーしは多分一生ヴィーガンにはなれない。

皿デカすぎパスタ
皿がデカすぎて少なく見えるけど、普通に結構入っててこれだけでおなかいっぱいになった。
ありがたみのないフォアグラ
1皿に3切れくらい大きいフォアグラが乗ってて1人前だった
そんなに食えない

翌日朝一でウィーンへ移動!
ハンガリーは物価が安く、郊外の栄えた町のような居心地の良さがあった。

通貨はフォリントという聞きなれないもの。
ハンガリーでしか使えないので、できるだけ使いきるのが吉。

運河に落ちるまで、まだまだ長い。



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