【読書日記】 「利用者の思いにこたえる 介護のことばづかい」を読む
帯に「アンケートとインタビューで明らかになった」とありました。実際の声を集めて、ことばづかいについて言及している本は珍しいと思い、読みました。
第一刷:2019年3月1日
発行元:株式会社 大修館書店
著者:遠藤 織枝・三枝 令子・神村 初美
内容:利用者と家族は何を望んでいる?アンケートとインタビューで明らかになった“介護される側”の声を多数紹介しながら、介護現場の心地よいコミュニケーションのありかたを考察。(Amazonより)
「介護者はこんなことばかけをするとよいですよ」「介護者のことばかけのルール」のような本は以前読んだことがありました。それはマニュアル的なものでした。
この本は、介護される人、介護される人の家族、介護する人にアンケート調査を行っており、自由記述の内容も多く紹介されています。そのため、イメージしやすく、非常に納得ができる内容でした。
私は特別支援学校に勤務していますが、この本の内容は特別支援学校にもあてはまることが多いと思いました。
「児童生徒の思いにこたえる 教育のことばづかい」と置き換えて読むことができました。
いくつか非常に共感したこと
善意から出た行為だけど。。。
・話しかけることばの幼児化
・環境の幼稚園化
保護してあげるという意識→幼児扱いになってしまいます
オノマトペの二つの性質
・幼児語としても使われる
・伝わりやすい便利なことば
→「子ども扱い」の部分を際立たせないようにしながら、一方で「すぐにわかる」良さを生かしてオノマトペを使わなければなりません
「こんなことをしてはだめと言って、そして、介護する人がなんでもやってしまうのではなく、行動の選択の幅を与えたり、相手に任せる表現を使っています」
ひとりの人間として相手を大切に思う、そういう姿勢がことばにも表れる、ことばをかけられる人の気持ちを穏やかにします
「常識的なことばづかい」
相手がいやな思いや不愉快な思いをするようなことばづかいをしない
=自分が言われたらいやだと思うことは言わない(自分の身に置き換えて考えてみる)
これらは、高齢者、障害のある人、両者にとって非常に重要だと思います。強いては、すべての人に当てはまると言ってもよいのではないでしょうか。
誤った善意が相手を不快にさせたり、人権を踏みにじったりすることになることが多いのも事実です。
この本を通して、改めて、ことばつかいについて見直すことができました。
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