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アートとわたし

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私の美術館巡り、アートに関する書籍を読んでの感想の他、アートに関わるクリエイターさんの記事を載せています。
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#アート

【読書日記】 「26歳会社員、絵画を買ってみた」を読み、ギャラリーへ行きたくなった

私はアートが好きで、美術館や建築物巡りが最大の趣味の一つです。 ギャラリーには苦い思い出があります。 バブルの頃、「ギャラリー」なるものをよく知らずにふらっと、とあるギャラリーに入りました。 そこで、ギャラリストさんに少々小馬鹿にされた経験があるのです。私があまりにも素朴な質問をしたためか、『あなたは場違いですよ』と言われているような感じを受けました。 単に絵を見たかっただけなのに・・・ それ以来、ギャラリーに足を運ぶことは全くありません。 しかし、この本を読み、ギャラ

【読書日記】 「絵をみるヒント」を読む

 タイトルに惹かれて読み始めたこの本。  読み進めるうちに、なんとなく親近感が湧いてきました。  そして気づいたのです、著者が、あの無言館を作られた窪島誠一郎さんということを。「どおりで・・・」と納得しました。 初版:2006年12月 発行元:株式会社 白水社 著者:窪島誠一郎 内容:戦没画学生の作品群を展示する「無言館」の館主が、どのように絵を見ればよいかという「絵の前に立つ行為」とその周辺を、深く、わかりやすく、楽しく解説した、入門書を超えた入門書。(Amazonより)

【アート日記】 佐川美術館 「ガウディ&サグラダ・ファミリア展」「吉左衛門X浦上玉堂×樂直入」へ行く

私の「かかりつけ美術館」である佐川美術館へ行きました。 昨日「ガウディ&サグラダ・ファミリア展」が始まり、「待ってました」と言わんばかりに・・・。 佐川美術館は、その建築物と周囲の風景が素晴らしく、その日の天気や時間によってもいろいろな様子に変化します。 これまで天気のよい昼前後の時間帯を選んで行っていました。 今日は、混む時間帯を避け遅めの時間帯に出かけ、天気は曇り。 しかし、発見がありました。 曇りの日は曇りなりの風景が素敵でした。 空と美術館の建物、水庭が灰色で連

【読書日記】 「子どもと大人のためのミュージアム思考」を読みながら

この夏、東京都美術館へ行き、その取り組みに大きな刺激を受けました。 美術館のある上野公園にはいくつものミュージアムがあり、それらが展開する「Museum Start あいうえの」の取り組みは羨ましい限りです。 その時の記事はこちらです。 今、東京都美術館学芸員アート・コミュニケーション係長の稲庭彩和子さん編著の「子どもと大人のためのミュージアム思考」を読んでいます。 分厚い本で、中身がぎっしりといった感じです。 この中で、特に共感できる記述がありましたので、大切に引用し

【アート日記】 2泊3日 東京アート巡りの旅をした

この2年ほど、数ヶ月に一度東京アート巡りをしています。 アートとは、美術館、博物館、素敵な建物、ストリートアート、その他アートっぽいものなんでもです。 前回行ったところでも気に入ればもう一回。 企画展ではなく常設展が目当てということもあり。 いつもは1泊2日ですが、今回は2泊3日のため、よりアートにどっぷり浸かりました。 一日目・・・上野へ今回の旅の1番の目当て、東京都美術館のマティス展へ行きました。 マティスの「色彩の世界」「線の世界」「模様の世界」、堪能しました。 そし

【アート日記】 東京都美術館へ行った。「都美館ファン」になった。

夏の休暇中に、「恒例の東京アート巡りプラスα」を2泊3日でしてきました。 毎回思うのですが、東京は知的で刺激的で魅力たっぷりな場所です。 盛りだくさんな3日間でした。 中でも印象的だった所の一つに、東京都美術館があります。 今回の都美館の目的今回の東京アート巡りの1番の目的が都美館の「マティス展」でした。 パリの国立近代美術館の長期改修にあたり、収蔵作品が一挙に来日したのです。 巡回展がないため、東京で見るしかありません。 さらに、今回、マティス展を堪能した後、たまたま別

へラルボニーの「異彩の百貨店」へ行った

東京日本橋三越本店で期間限定で出店されているへラルボニーの「異彩の百貨店」へ行ってきました。 へラルボニーについてはこちら。↓ 以前から、へラルボニーのミッションや活動について刺激を受け、ファンになっていたのです。そこで読んだ本はこちら。↓ デザイン、アート、起業、知的障害、双子といった、私にとってのキーワードがならびます。 実物を見て感動した。まるで美術館にいるよう以前から、へラルボニーの扱うアート作品や服飾などの製品は、メディアなどを通しデジタルで目にしていました

【アート日記】 絵画の額縁を堪能しました

先日、国立西洋美術館へ行きました。 以前から「行きたい行きたい」とずっと思っていて、やっと実現しました。 企画展もしていたのですが、私の最大の目的は常設展。 常設展のある会場の部屋の作りや展示の仕方に興味があったのです。 松方コレクションを中心とした作品は、予想以上にどれも素晴らしいものでした。 その中で、今回、特に注目したのは、絵画の額縁です。 かねてから、額縁に関心があり、以前、noteにも記事を書きました。 その記事はこちら。 素晴らしい絵画を飾る額縁。 絵画を飾る当

【アート日記】 山下清展・樂直入展(佐川美術館)へ行く

新年度で忙しくしている中、ちょっと日常を離れたくなり、滋賀県守山市にある佐川美術館へ行ってきました。 メインは「山下清展 百年目の大回想」。 3月に行った時には、依然として感染対策がなされていましたが、今回行くと、通路の一方通行用のロープは取り除かれ、あちこちにあった感染予防を喚起する貼り紙もなくなっていました。 以前の開放感が復活しており、まさに日常から離れるにはとてもよい空間に戻っており、うれしかったです。 さて、山下清展は・・・ 貼り絵、ペン画、水彩画、油彩画、陶磁

【読書日記】 「古代ギリシャのいいこと図鑑」を読む

子ども向けのアートの本は、とてもわかりやすく私にとってのツボを押さえているものが多いので読んでみました。 第一刷:2011年7月3日 発行元:株式会社小学館 著者:結城 昌子 内容:2500年前のアートにみつけた、美しいことやカッコイイことのヒミツ。ヴィーナス…アキレウス…ヘラクレスと友だちになれる一冊。(amazonより) 古代ギリシャって古すぎてよくわからなかったけどアート、特に西洋美術が好きで、メインはルネサンスから近代にかけてのもの。 ルネサンスを語る時に古代ギリ

【読書日記】 「小学館の図鑑NEOアート 図解 はじめての絵画」に、はまった

発刊予告が出てから、楽しみに待っていました。子ども向けに絵画についてどんなことが書いてあるのだろう、とワクワクで読みました。 出版社 ‏ : ‎ 小学館 (2023/2/6) 発売日 ‏ : ‎ 2023/2/6 内容:世界の名画約360点を、図解イラストや部分図を用いてわかりやすく解説。 「何が描かれているか」「どのように表現されているか」を探る鑑賞ページを中心に、画材や絵画技法、美術館の役割についても紹介。(Amazonより) 図鑑なのに夢中で読破してしまったこの本は

【アート日記】 「光熱費高騰 苦境の博物館」に思う

2月6日(月)の朝日新聞の文化面に掲載された記事が目に止まりました。 「光熱費高騰 苦境の博物館」とあります。 ロシアのウクライナ侵攻などによる燃料価格の高騰が、博物館にも影響を与えているということです。 他の国立博物館、企業系博物館、公立館の状況も厳しいとのことです。 もちろん美術館もそうですよね。 「各部署で支出を減らす」とのことですが・・・ 文化財の購入や修理を延期する、 企画展の解説パネルを減らす、 事務系の空調、職員の温水器の温度設定を低めにする、 ハンドド

【読書日記】 「アートがわかると世の中が見えてくる」を読む

「はじめに」の“美術がわかるということは感じることではない”の言葉に惹かれて読みました。 第一刷:2021年2月5日 発行元:IBCパブリッシング株式会社 著者:前﨑 信也 内容:学校では教えない、芸術文化を理解するために必要な知識 この世の中でどのくらいの人が「美術」を「わかって」いるでしょうか。 「美術で感動すること」と「美術を理解すること」は違います。 生まれ持った感性は美術を理解するためには必要ないのです。 本書では、これまでの美術史本には書かれてこなか った、日本

【読書日記】 「すべてのドアは、入り口である。現代アートに親しむための6つのアクセス」を読む

私にとって、「よくわからない」現代アートに少しでも近づきたくて、読んでみました。 第一刷:平成26年12月20日 発行所:祥伝社 著者:原田 マハ   高橋瑞木 内容:『楽園のカンヴァス』『ジヴェルニーの食卓』の著者、小説家・原田マハと 水戸芸術館現代美術センター・主任学芸員、高橋瑞木が贈る「わからない」が「面白い」に変わる現代アートのはなし。(amazonより) 第3のドア 「二人が選ぶ、今知っておきたいアーティスト」が心に響いた私が最も心に響いたのは、第3のドアの章で