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変わっていく母

一番最初に気づいたこと

今、母は「サービス付き高齢者向け住宅」で暮らしている。(以下サ高住)安否確認など生活支援サービスを受けられるバリアフリー対応の賃貸住宅だ。基本、自立生活ができる方が入居できる。(着替え、食事、トイレなど一人でできること)食事は頼むと用意してくれる。(有料)自炊はできない。これは母のサ高住のことなので、条件は施設によって変わってくることもある。※母は認知症ですがまだ継続してサ高住にいます

2017年の大みそか。夫が母の家の異変に気づいた。
「なんか変な臭いがする」わたしは特に思わなかったが、そう言われて、気になっていた。

母は一人暮らしだった。父はずいぶん前に亡くなっていたし、わたしはひとりっ子。わたしが結婚してから、母はずっと一人暮らし。

わたしの子育ても手伝ってくれた。子どもが少し大きくなってからも、わが家によく来てくれた。約束した日にちを忘れることは一度もなかった。遊びに来た母の様子を見て大丈夫だと、確認しているつもりでいた。会話していて何度も同じことを聞くことはあったけど、歳だからだと思っていた。

天然でとんちんかんな母

常日頃、天然ぶりを発揮し笑わせてくれた。「この道Vターンできるんだね」Vじゃないー! Uね!
犬のおやつを食べて「これ味しないね」なんで食べるの?(笑)

いつもとんちんかんな母だったので、認知症状なのか、天然なのか判断がつかないでいた。きっとこれは天然だよ。どこかに「認知症」になってほしくないという願望があったのだと思う。

現実を知る

2018年、それを見つけた。「変な臭いがする」原因がわかった。
冷蔵庫に入りきれていない食材が腐っていた……
母は生協の共同購入をずっとしていた。一人なので食材があまってしまっていた。
でもまた買ってしまう。「もうたくさん買わないでね」と伝えても買ってしまう。定期的に母の家の食品を見極める作業が始まった。

野菜を捨てる。もったいない、なぜまた買ってしまうの?わたしの中でモヤモヤした感情が渦を巻く。母にきつく言ってしまったことも、一度や二度じゃない。ひどい娘。自分が嫌になる。怒りと罪悪感が行ったり来たりする。
この時期が一番心身ともにきつかった。母もつらかったと思う。
この時のわたしは、母が「認知症」かもしれまいとの思いには至っていなかった。認知症をよくわかっていなかったのだ。
病気だとわかっていたら、もっと優しくできたのかもしれない。


ここまで読んでいただきありがとうございます。このことをきっかけに母のこれからの人生を考えることになったのです。すべてわたしがしなければなりませんでした。自分の備忘録として綴っていきたいと思います。



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