九龍ジェネリックロマンス 76話感想(※ネタバレ注意)
今回のユウロンさん、トリガーキャラですね。
【あらすじ】
過去の自分を双眼鏡で眺めながら
小黒はユウロンとのやり取りを回想する。
『鯨井Aを殺してほしい』
というユウロンは
小黒に彼の過去を突きつけると
一つの提案をする。
それは『過去の自分に戻る』方法だった。
｢今までの記憶を
ジェネリック地球へ保管しておいて
記憶を『ジルコニアン』に移植すれば可能だ｣
とユウロンは小黒に告げる。
その頃激務に疲れていた楊明はカバンの中から
ユウロンに貰ったチョコレートを見つける。
そのチョコレートを口にした楊明の脳裏に
香港に出掛けた時の記憶が蘇るのだった。
①鯨井A殺しは殺人にはならない？
『鯨井Aを殺してほしい』
というユウロンさんの突飛な依頼に
小黒はぎょっとしてしまいます。
しかし、ユウロンさんは
｢鯨井A殺しは殺人にはならない｣
と告げます。
なぜなら彼女はG九龍同様
『存在しないはずの存在』に過ぎず
生きている生身の人間では無いからです。
ある意味幽霊のような存在に近いんですよね。
ただ、疑問なのは
何故鯨井Aの存在を消去してほしいのか
という点です。
彼女の秘密に何か気づいたのか
蛇沼がG九龍に深入りしないようにするためか
(74話で蛇沼が鯨井Aに目をつけた理由がさらりと明かされたことを考えると)。
②オリジナル小黒の過去
今回は小黒の過去も
ちょっと明かされましたね。
小黒は第二九龍に住んでいた頃
『苺ちゃん』という芸名で
ロリータファッションを紹介していました。
人気もかなりあったようです。
しかしこの三年で身体が急成長してしまい
当時持っていた服は
すべて処分してしまったとのこと。
彼の過去を知るとキャッチコピーの
『一生フリル宣言♥️』が
何だか切ないですね…
昔の小黒は小柄で可愛い容姿ですが
今の小黒は身体ががっちりしていて
男性らしい容姿をしています。
今の小黒も充分イケメンだと思いますが…
小黒がG九龍を認識できるのは、
昔の自分への未練が起因でしょうか。
③明かされたジルコニアンの正体
今回のエピソードで
ジェネリック地球とジルコニアンの詳細が
明らかになりました。
ジェネリック地球ですが
始めはガンダムに出てくる
スペースコロニーのようなものかな
と思っていました。
その実態は『記憶の保管場所』みたいですね。
そしてジルコニアンは
オリジナルの記憶を移植されただけでなく
オリジナルの容姿をそのまま再現したクローン
だと判明しました。
分かりやすく言うと
死んだ人間の場合
容姿は生前そのままを再現している
という感じでしょうか。
ただしジルコニアンはあくまでも
記憶を入れるための『器』というモノ扱い
みたいですね。
元々蛇沼サイドで仄めかされていましたが…
この作品世界では
クローン技術自体が存在している
ことがハッキリしました。
ジルコニアンは
クローン技術を応用したものっぽいですが
もし実現したら…ちょっとゾッとしますね。
④鯨井AやG九龍の存在自体の残酷さがエグい…
ユウロンさんから
『過去の自分に戻れる』方法を
提案された小黒。
今回のユウロンさん
まるで誘惑する悪魔みたいでちょっと怖い…
あと鯨井AやG九龍のことをキッパリと
「ただの『不確かなモノ』」と
言い切っている辺り
ユウロンさんのドライさが現れているな
と思います。
確かに鯨井AやG九龍が
実体化して存在していても
結局、見えない人にとっては見えない存在
であることに変わりはありません。
グエンの場合
現在のG九龍の世界を
「悪趣味」と嫌悪感を示していましたし
鯨井Aと工藤さんの関係性についても
「環境としてこれ以上になく最悪」
と彼は懸念していました。
小黒は彼なりに
鯨井Aへの情も抱いている一方
過去の自分への未練も
完全に断ち切っている訳でもないようです。
今回ユウロンさんから
ジルコニアンの詳細を聞いたことで
気持ちも揺れ動いている模様。
今の自分を受け入れるか。
過去の自分に戻るか。
小黒はどちらを選ぶでしょう？
⑤大事なことを思い出した楊明さん
ユウロンさんが楊明さんにあげた
チョコレートの伏線が
遂にキターーー(フォーゼ風)！！
67話で第二九龍のコーヒーを飲んだことで
香港の出来事を忘れた楊明さん。
再び第二九龍で呑気に過ごしていましたが
令子さんのメガネをきっかけに
『大事なこと』を忘れているのに気づきます。
今回ユウロンさんから貰った
チョコレートを食べたことで
やっと自分が忘れていた
『大事なこと』を思い出した様子。
(ここら辺知恵の実っぽいですね)
67話を見ると、第二九龍の食べ物には
外の世界の記憶を消去する力があるようです。
食べ物の危険性について
グエンも小黒も気づいていますが
楊明さんもそのことに気づくでしょうか
(というか、そろそろ気づいて楊明さん！)。
余談：ジルコニアンで思ったこと
もしジルコニアンの技術が実現したら
亡くなった人間を蘇らせることが
可能になりますね。
それでも様々な謎があります。
【ジルコニアンの謎】
果たして容姿もそのままオリジナル同様に再現できるのか
記憶を保管する技術とは、どんなものか
そもそもジルコニアンを創る目的は何？
ジルコニアンを殺したとしても、殺人にはならない？
ジルコニアンが自我に目覚めたらどうなる？
ジルコニアンは歳を取らないのか
今回のエピソードは
ジルコニアンとジェネリック地球について
かなり核心に迫った内容でした。
ユウロンさんの話を聞いて思ったのですが
もしかして工藤さん…鯨井Aに
令子さんの記憶を植え付けようとしている？
前回、鯨井Aは
「何故工藤さんは自分の傍にいるのだろう？」
と疑問を抱いていました。
工藤が鯨井Aの傍にいる本当の理由。
鯨井Aをジルコニアンの『器』にして
令子さんの記憶を移植させようと
目論んでいるのではないか
…という怖い考えが浮かびました。
工藤は何だかんだ
令子さんを未だに想っているあたり
一番彼女に戻ってきてほしいでしょうし。
ユウロンさんの話を聞けば
鯨井Aはジルコニアンの『器』として
まさに適任です。
あくまでも想像ですが
もし当たっていたら、工藤の闇がえぐい…
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