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長崎の坂旅③|長崎不動産編|地域課題の解決と活性化を不動産の力で。

長崎の三日目、最終日のお話です。二日目の九州地区大会(のあと)は明け方まで呑んで食っての大騒ぎ。それでも、自分たちの活動がどれほど大切なことかを再認するには十分な半日でした。

九州地区大会終了後の会場前の様子

九州地区大会の後、会場だったニューホテル長崎で行われた懇親会の余韻に浸りながら、次の会場までのワクワクが止まらない様子のご一行様。私めは写真班でしたのであまり写っていません。

おつまみに出た茹で落花生、初めて食べたけどうまい

二次会、三次会と会が進むにつて、だんだんお腹が空き始め、締めにちゃんぽんではなく、なぜか餃子が食べたくなりました。それでふらっと入ったのがトップ画のお店↓。かなり酔っておりましたが、焼き餃子と麻婆豆腐は最高に美味しかったのを覚えています。

他にも色々ありましたが、夜活の話はこのくらいにして、最終日のメインストリーム、長崎の不動産事情のお話に移りたいと思います。

長崎市大浦町の長屋を利活用

今回、長崎の不動産事情をご案内いただいたのは、↑大浦町テナントプロジェクト「wabiと呂色の梁」を企画運営されている有限会社明生興産の尾上さん。大浦町テナントプロジェクトについては↓で紹介されています。

地元の人が「なんだか活気が出てきた」と感じるようなそんな場所が作れないか、未来の子供たちのために一軒でも多くの古民家を残してあげたい、若い起業家のための開業支援ができないか。そんなコンセプトの大浦テナントプロジェクト、なんか胸熱でした。

古い通りに面した長屋の中の一軒、熊本でも見る風景
Before、あるよあるよこんな長屋

築古の空き家、ほっとけばきっと壊されちゃう。壊されなくとも、朽ちていくのをただただ見るだけ、いずれにしても寂しい未来しかありません。

それを想像できる我々は、それを知ってるからこそ、そこに手を出さなくてはいけないと感じています。ビジネスとしては楽ではなくとも、地域に対するインパクトや循環型のモデルとして魅せれるはずです。

未来の子供たちのために持続可能な循環型建築社会の市場創造を行う

まさに、明生興産さんの経営理念が具現化されたプロジェクトでした。

2階のスペースではアクセのショップがオープンしてた

2階部分では小屋組を見ることができました。「天井を剥いでみたら屋根が現れた」とのご案内の通り、大きな屋根の中に小さな屋根(下地野地板)が見えています。

床板の留め方

杉で設えられた床を見ると、黒いポツポツが目に入ります。よーくみてみると床を留めるためのビスじゃありませんか。「あぁこれでいいんだ」とその思いっきりの良さに感心しました。絞るところとそうでないところのメリハリが大事ですね。

1階では人気のカフェさんが出張オープン中

奥には子供達の声が聞こえました。お母さん(かな?)が淹れてくれたコーヒーを我々に提供してくれました。なんとも微笑ましく、商売の片端に子供というシチュエーションもエモーショナル。

店先には可愛い靴が干してある
古い柱に敷居の痕跡
敷居があるから見上げると鴨居の痕跡

地域活性化の活動としてのこの建物視察ですが、やはり目が行くのは古い素材に残された歴史です。こんなのみてると、無条件に何かやりたい衝動に襲われますが、次のプロジェクトへご案内ということで移動します。

ザ・長崎な階段に迎えられる

二つ目の視察先である南町ヴィレッジです。移動の車中で「階段が階段が・・・」と、散々言われていたのですが、目の前にするとなるほどという迫力です。でも、ここにも普通の暮らしがあるという長崎、あらためて凄い!

南町ヴィレッジからのロケーション

斜面のちょうど中央部、バス通りが上にも下にもありますが、どちらに向かっても200mほどの階段が立ちはだかります。「ここはこの辺りで一番過酷な環境なんだよ」と、仕掛け人の尾上さんは笑い飛ばしますが・・・

心なしか肩が落ちてるよいうな

運動不足なおじさんたちが口を揃えたのは「呑んでちゃんと帰って来れるか不安」などという、どうでもいい話をしています。

階段の途中にある南町ヴィレッジ

車は全く近づけません。普通にここに暮らしがありますが、高齢化は他と変わらず進んでいるとのこと。長崎市は階段と坂の街、高齢化の問題は移動手段というインフラ整備に大きな課題を持っているようです。

課題先進県と言われる長崎に、このロケーションとの対話は必要不可欠であり、それを笑い飛ばしながら挑戦されてる尾上社長はすごい!とあらためて感じたり。

ヴィレッジ構想を聞かせてもらう

この南町ヴィレッジは明生興産さんが自らリノベして賃貸とされている建物ですが、贈与型賃貸住宅という聞きなれない形態も特徴的です。↓でも少し解説あるのでみてみてください。

そして次のご案内は2軒が同じ町内にあるという、これまた空き家リノベ案件、どちらも車で近づけないというやっぱり長崎不動産です。もう長崎三日目の僕としては楽しみでしかない。

この三日間で何度も目にした可変式ゴミステーション

次へ移動する途中でこのゴミステーションについて質問してみました。既製品ではないようだけど、使ってあるパーツはホームセンタにある塩ビ管。原価は安いけど、このシステムを考えた人すごいですよ。

蛍光管入れも必ずセットで。黒い穴あきバケツは乾電池入れとのこと

この蛍光管入れと乾電池入れも必ず横にセットされていて、そんなに需要があるのかとここは不思議ポイント。左手の緑のカートはゴミを各家庭からここまで運ぶためのものらしい。色々すごいアイデアが坂の街長崎にはあるようです。

最寄りのコインパーキングからのアプローチ

平地が基本の熊本に住んでると、家に行くのに最寄りの駐車場からテクテク数百メートル歩くなんて想像できませんでした。細い路地しかも坂道とか、もうワクワクでしかありません。

おじさんたちは進みます

あくまで公道、他人の敷地を歩いているわけではありません。中央部に見えるグレーの建物が目的地です。自転車やバイクが移動手段としては用いられているようです。

あるものは残すスタイル

既存の木の箱、前の住人さんが手作りされた新聞受けなのかな。尾上さんはこんな歴史を残したがりなようです。自分と同じ匂いがします。

電気メーターが室内に?

間貸しというシステムが昔はあったようで、同じ建物の中でひと間を他人に貸すというスタイル、だから室内にメーターがあって使用量の確認をしていたとのこと。Airbnbみたいなシステムですね。

ゴミを減らす作戦

こちらの住宅は売買のためにリノベされたもの。それでも、完璧に手を加えるのではなく、住う人が手を出せる余白が残されています。リノベ費用は売り価格にも影響するので、無駄な費用がかからないようにという工夫がありました。

それがこの玄関の設え、古いアルミの引き戸の室内側に可愛い木製建具が取り付けてあります。一般的には古いアルミ戸は撤去されゴミに出すとこですが、ゴミとはいえ捨てるにはお金が掛かります。まさに無駄なコスト、ここを見事にデザインの力で解決してありました。

窓枠と飾り棚を兼ねてる
古い窓を可愛く装飾
白い壁に込めた想いを

尾上さんの想いのこもった築古住宅のリノベ事例、いよいよ最後の一軒へ向かいます。この住宅から歩いて2分くらい、同じ町内にある2階建ての住宅です。

さらに坂をのぼりたどり着いたロケーション

お墓と隣り合う住宅地というのも普通だそうです。お墓越しに見る街並みも普段の暮らしに溶け込んでいます。

バイク置き場が新規で準備されてました(手前のブロック塀)

移動手段がバイクか自転車、なるべく費用をかけずにリノベというスタンスの中で、駐輪場はお金掛けてでも準備する大事な要素とのこと。決してゴミ置き場ではありませんと尾上社長。

シンプルに仕上げられた室内

元の趣きを残しつつ、壁を天井付近でくり抜いたり、細かな気遣いが感じ取れます。左手の障子とか、当時のものですがかえっていい味出していると思います。

2階の窓から

2階に上がって窓を開けると気持ちいい風が吹き込んできます。ここは住宅でもなく、仕事場とか研修室とかでの利用もいいなと想像しました。

熊本人からすると、坂や階段との付き合いは、非日常でありそれが普段使わない筋肉はもとより、脳内細胞にも刺激を与えるようです。ビール片手にここで夢を語るとか・・・ですね。

あらためて尾上社長、お忙しい中のご案内ありがとうございました。熊本の3人はめちゃ刺激受けて帰ってきました。熊本での活動の際は是非こちらにもお越しくださいませ。

島原港からフェリー

2泊3日の長崎坂旅、これにて終了です。3日間で25kmくらい歩いていました。そのほとんどが坂と階段、ただ不思議と疲労はありません。残ったのはワクワクと漲るパワーでした。

熊本港へ着岸

遠く見える雲仙岳、あの向こう側にさっきまでいたのかと思うとなんか不思議です。今回の長崎の旅これで本当に終了です。1日目、2日目の様子は↓で紹介しています。長崎に行く方にとって、少しは役に立つと思いますので、どうぞご覧ください。


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