歩道にて
自分は幼い頃から犬嫌いです。噛まれたような思い出はありませんが、物心ついたときから犬を見かけると走って逃げていました。今も、犬が鎖につながっていても1m以上近づけません。だから表面上は平静を装っていても、犬が近づいてきたら反発する磁石のようにサッと避けます。
それを事前に説明したうえで、今日の日記です。
午前、近所のスーパーへ行くために幹線道路の歩道を歩いていました。すると、自分が向かう方向から60代と思われる男性が犬と一緒に歩いて来るのが見えました。このままだと数秒後にはすれ違うことになるし、雪で歩道の幅は狭まっていたので、自分は立ち止まり、なおかつ踏み固められた部分で一番端に寄って、男性と犬が通り過ぎてもらおうとしました。そのとき、
男性と犬の間に鎖がつながっていない
ことに気が付きました。つまり、男性は放し飼いの状態で犬を散歩させていたのです。自分はとっさに車道と歩道の間にある雪山に少しよじ登って、犬との距離を取ろうとしました。犬はきちんとしつけられていたようで、自分には近づかずにまっすぐ歩いて通り過ぎたものの、男性は雪山によじ登った自分をジロリと見て
「なんだコイツ・・・」
小声でつぶやいて行きました。
そりゃまあ、犬の姿を見て逃げるように雪山に登れば、傍目には“なんだコイツ”と思うでしょう。でも、その言葉をそっくりそのまま男性にお返ししたいと思いましたよ。
幹線道路の歩道だから不特定多数の歩行者がいるし、車道には切れ目なしにクルマも走っています。そんな場所で鎖をつながずに犬を歩かせたら、自分のような犬嫌いもいるし、逆に犬好きな人が連れ去ることもあるかもしれません。さらにいえば、犬が赤信号を無視して車道に入ってクルマに撥ねられるかもしれないでしょう。それは、その犬がどんなにしつけられていても、です。
男性は犬の気持ちをおもんばかって、鎖を外して自由に歩かせたかったのでしょうけど、それを
幹線道路の歩道でやるのは危険だ
と思いました。
歩道ではきちんと鎖をつないで散歩させるほうが、犬のためにはむしろ正しいと考えていますが、どうでしょう。