おかめちゃん
朝、慌ただしく準備を済ませ、せかせか走りながら銀座へ。
今日は、両家顔合わせの日。
ここ数日、なんだかんだそのことで頭がいっぱいで、ひそかにずっとソワソワしていた。ちょっとふつかよいくらいがちょうどよいと思い、前日は愉快な仲間たちとしこたま酒を飲むと決めこむ。
おかげさまで、「最高」と「楽しい」しか語彙がなくなるくらい、素晴らしい夜だった。
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会場に到着し、しばらく待つと両家が到着した。にこやかに話しかけてくれる彼のご両親。穏やかな雰囲気を纏っていて、いつもやさしく笑っている。その姿を初めて見たとき直感で「わたしはこの人たちと家族になるのだ」と思ったことを思い出した。
何度かお会いしているのに、新鮮にドキドキする。けれど、決してピリピリした緊張感ではない。このときの気持ちをずっと忘れずにいたいなと感じた。
一番最初に運ばれてきた料理におかめちゃんがちょこんと乗っかっていたのだけど「おかめです」という解説付きだったうえに、おのおの化粧具合が違ったもので大爆笑。
わたしのはちょっと薄化粧。彼の妹さんのおかめちゃんはチークが濃くてまっピンクだった。
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顔合わせは、終始なごやかに進んだ。笑いが絶えず、終盤は顔が痛くなるくらい。二軒目はお茶をしたのだけど、わたしたちのテーブルだけ宴会のようだった。
「これからも、どうぞよろしくお願いします」
締めの挨拶でそう彼のお父様から言われたとき、これから彼の人生をちょっとだけ預かるのだなあ、そして、家族が増えるのだなあと改めてしあわせな気持ちになった。
人生って、不思議ですね。
余談ですが、会が終わった後ホッとしてふたりではまぐり食べました。いい会でした、貝だけに。
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