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夜遊び回転寿司

朝から、先日買ったばかりのねこじゃらしの頭をなでた。ふわふわとやわらかく、かわゆい。

通知を告げるラインの画面を開くと、最近出会ったあの子がわたしの働くカフェに遊びに来てくれるらしい。昨日来てくれた別のあの子とは、お昼どきに互いのオススメ本の話でひとしきり盛り上がった。12星座占い、今日は何位だか知らないが、しあわせな日だ。頭をうんうん唸らせながら、仕事も終えた。

ふと、今日は恋人が飲み会でいないので、夜遊びに出ようと思い立つ。その名も、「夜遊び回転寿司」。読んで字の如く、ひとり回転寿司を食べにゆくのだ。

ウッキウキで風呂に飛び込み、スパークリングワインの香りがする入浴剤をおもむろに投入。ひとしきりバシャバシャしたあとは、気に入りのAesopのボディクリームをたっぷりすりこみ、紅もひと塗り。さあ、お出かけだ!

なんだか興奮して身体が熱かったので、外も暑いことだろうと思い込み軽装で外に出たらしっかり寒かったので少しだけがっかりした。

店内左隣には、女性ひとり客。慣れた手つきで粉末茶をしゃばしゃばと注いでいる。その隣の男性はあら汁と、とっておきの寿司一皿で満足げに帰宅。どうしても寿司をつまみたい日だったんだろうね。うむうむと頷く。

右隣には、カップル。「もうすぐ茶碗蒸しが来るから、これでちょうどいい。おかわりはいらないね」と茶碗蒸しを心待ちにしていたかと思いきや、「茶碗蒸しに銀杏の食感はマジで合わない。銀杏のパサパサに水分持ってかれる」とは彼女、なかなか手厳しい。 

ちなみに、「ちょうどいい」カップルの食べ終えた皿、折り重なって石塔の様相を呈していたのでちょっと笑った。お寿司大好きなんだなあ。

回転寿司って、いつ訪れてもワクワクする。超特急に乗った寿司がこちらめがけてまっしぐらに運ばれてくる光景だけで心が踊るのだ。新幹線が到着する瞬間、いつも新鮮にうれしいあの気持ちと似ている。ああ、ここからどこにでも行けるんじゃないかっていう、あの感じ。

ビールでも飲みながら散歩して帰ろうと思っていたのだけど、この通りたくさん食べてしまったので、コンビニで何か温かい飲み物を買って帰ることにする。

「アメージングチョコモ〜モ〜 THE SECOND」なる夜遊び感あふれるドリンクが売っており、数分悩んだ結果、ほうじ茶ラテを頼んだ。大人になったな、と思った。

香ばしい香りが、闇に溶ける。ほんのり、冬の夜の味がした。


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