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物語を生きてる

今日も、朝5時に目が醒めた。昨日早めに寝たからかな。

いつもの癖でTwitterを開くと、だいたい似たような面々が集合しているのでひとりひとりの名前を覚えてきた。おはっピー。

一旦閉じて、わしわし原稿を書く。Gmail、Slackの返信。構成案2本作成。諸々片付けたので、満足して外に出る。確定申告書類を提出するのだ。

昨年は締め切り3日前に泣きながら(文字通り泣きながら)書類を作成し、ひいひい言いつつ提出していた記憶がある。人は成長するのだと他人事のようにしみじみ感じたフリーランス3年目。

「税務署」の角ばったフォントがででん!と主張する看板とは対照的に、近くの公園はぽかぽか陽気で長閑だ。おじいさんが、あんぱんをもしゃもしゃ頬張っている。その光景に、なぜだかいっそう緊張感が高まる。

兎にも角にも、無事提出を終えた。案の定、所定の位置に印鑑を押し忘れていたけれど、ほんわか笑って「大丈夫ですよ」と言ってくれた受付担当のおばさまにホッとした。

帰り道で、今までの仕事について振り返った。本当にたくさんの方に出会ったものだ。少なくとも、記憶にある限り100枚セットの名刺を5度増刷している。仮に今も営業職として過ごしていたら、こんなに多くの方には出会えていなかっただろうなあと思う。

取材や打ち合わせに出向くのは誰でもない自分だけれど、たまにそんな方たちのもとへ「連れて行ってもらっている」ような錯覚に陥ることがある。導かれているような。出会うべくして出会ったような。

そして、原稿を書いている一瞬だけ(期間にして数週間、いや数日かもしれないけれど)わたしはその人たちの物語の中で生きているような気持ちになる。

こんな仕事って、多分なかなかないんじゃないかな。中学時代に所属していた演劇部を思い出す。一つの舞台が終わったら、また次の舞台へ。

『百万円と苦虫女』という映画が好きな理由もそれでかもしれない。百万円を貯めて、また次の街へ。すれ違いながらも、自分の道を歩む強い主人公。

確定申告書類を提出するのはきっと来年も変わらず怖いけど、一歩一歩歩んでいけたらいい。ゆっくりでも、続けて行けたらよい。

そう思いながら、空を見た。大きな飛行機雲が広がっていた。

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