アイウエオ

なつやすみはやっぱ虫とりでしょ!

ハタチになりました。

“大人”になったからでしょうか、まあその前からではあるんですが、虫を見ると、皮肉を感じるような体質になってしまいました。あるいは、素直に虫を見れなくなってしまいました。簡単に言えば価値観が大きく変わってしまったということですが、その一言で終わらせたくない漠然とした気持ちの中夏を過ごしています。

今回は、僕が普段撮っている虫の写真をお見せしながら、僕が感じた皮肉を綴っていくという、不思議な記事にしたいと思っています。


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その前に、少々昔話を。

小さい頃、具体的に言えば、幼稚園から小学校低学年くらいの頃まで、僕は虫が大好きでした。朝3時か4時くらいに頑張って起きて、車で1時間くらいかけて、カブトムシが捕れる公園に何度も連れて行ってもらいました。父の実家の周りにはたくさんの山があったので、両親の帰省に付き合うときは、虫捕りもセットでした。

カブトムシだけでなく、様々な虫を捕まえていました。例えば、セミ。少し珍しいセミを見つけたら大はしゃぎ。虫捕り網を家までダッシュで取りに行き、帰ってくるともうそこにはいない、と言ったような子供らしいこともしていました。アリの巣キッドのようなものも挑戦しましたし、家の中でイモリ用の餌の小さいコオロギをぶちまけたこともあります。カマキリを家の裏で見つけて大はしゃぎしたり、カラスアゲハを友達4人くらいでリアルに追いかけ続けたりしたこともあります。

上野の国立科学博物館に行けば虫の標本に釘付け。ムシキングは達人。今は廃れている文化”百貨店の屋上の遊園地”にあったムシキングに通いつめ、そこの大会では準優勝。相棒はインペリアリスツヤクワガタ。パーには「あせらせ」をセット。決勝戦の対戦相手がアヌビスゾウカブトだったのは一生忘れません。悔しかった。

僕がある程度の知能をげんざい持てている大きな理由に、小学生低学年でムシキングという圧倒的な読み合いゲーを経験したことは絶対にあると思います。ちなみにムシキングは「ムシキング(強さ160)」が出た頃に辞めました。

といった感じで、ムシキング好きの話をしただけになった感ありますが、とにかく、僕は純粋に虫が大好きなガキだったということをお伝えします。


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で、今はどうか。例えば、次の写真を見てください。セミ苦手な方はそっと逃げてください。

この姿を見て、皆さん何を思うでしょうか。僕は、最初に見たとき、「背中を任せたぞ」とでも言い合っているのかなとも思いました。しかし、こんな道の真ん中で何から身を守るのでしょう。彼らにとって一週間の余命、それはお互いに背中を預けて世界と戦うためにあるのでしょうか。いや、違う、僕はそう思い、「セミ 交尾」でおもむろにググっていました。

結果、予想は的中。セミはこのような状態で交尾をするそうです。僕は悲しくなりました。愛が無いように僕の目には映りました。このように、虫を見ると、何か考えずにはいられないのです。それで、勝手に「かわいそう」だの「悲しい」だの思うんです。


次に、こちらの写真。アオスジアゲハです。マンションの壁にとまっています。

結構高い頻度で、このように壁にとまる蝶や蛾を見かけます。これを見るたびに、この虫は何をしているのだろうと思ってしまいます。蝶が普段何をしているのかなど知りませんが、この無機質な壁にとまることに意味はあるのでしょうか。生産性のない蝶に見えてしまいます。

ちなみに夜見かけた蛾を次の朝同じ場所で見かけることも多々あります。人間の作った無機質な根城は、驚いたことに昆虫にも恩恵があるようです。あるいは、”自然”は”人口”の対義語ではないのかもしれません。


まだまだあります。これもわりと閲覧注意なのですが、カメムシです。

これは皮肉では全くないんですが、めちゃくちゃかっこいいと思いました。素直に惚れました。足の白黒とか、折れ方とか、特に。

虫が大好きだったと言いましたが、僕は昔から、自分に危害のありそうな虫は苦手ではあります。カメムシはその代表例でしょう。今も部屋の中でカメムシと会うと大騒ぎします。

しかし、外の世界でそのような虫と出会うと価値観がなぜか逆転します。むしろ近づきたくなります。すごく接写していました。飛び立った瞬間にはビビりましたが、家にいるときはいるだけでビビるのですごく不思議な落差です。


もう一個、これこそ最強の危害の虫の写真を。これは閲覧注意かもしれません。Gです。

ヒトに潰されたであろうバッタを弔うかのように、ゴキブリがこの辺りをさまよっていました。ヒトへの復讐を誓っているのか、もしくは、ゴキブリはヒトと同じく支配者なのか。つい立ち止まって写真に収めてしまいました。


昔は虫網を取りに走ったのに、今の僕は写真を撮りに指を走らせます。


あと、余談ですが、最近虫によくぶつかられたり、止まられることが増えました。先日はゴキブリさんが僕にとまりました。流石にそれは振り払いましたが。

自然な流れで止まってきたアブラゼミ。少し小さめでした。木につけてあげました。

昔は止まってほしくて指をトンボに伸ばしても全く止まる気配などなかったのに、今ならいけるのではないかと思うレベルです。最近アキアカネ見かけるしやってみるか。


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好きでいればいるほど報われず、少し自分から距離を置いたら向こうが近寄ってくる。この現状があまりにも皮肉です。世界は皮肉でできているんじゃないかって思います。骨はもはやあることが当たり前すぎて、見たところでつまらないのでしょうか。

また、忘れてはいけないのは、これはヒトである僕の、ヒトとしての主観的な判断だということです。アオスジアゲハは生産性なんて考えてないし、涼しいところだから止まっているんでしょう。こんなことを考えている僕を鳥瞰する僕がいるのも、また、皮肉です。


インスタにて、虫に限らず、日常で皮肉に感じたものを納めてみています。こじつけだけの時が多いので割と痛いとこ突かれることもありますが。

「みんな同じ方向向いてる。人間みたい。」

なんかつまらない大人になりそうです。でもやるからには徹底的に探して、「皮肉男」みたいになりたいですね。

お酒は嗜む程度にします。おつかれさまです。


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これは出版甲子園実行委員会日記というものに寄稿している記事です。

出版甲子園実行委員会日記では、僕が所属している団体「出版甲子園実行委員会」のメンバーが日替わりでnoteを更新していて、普段どんなことを感じながら過ごしているか、自由に書いています。

ぜひ他のメンバーのものも読んでみてください。

あと、出版甲子園とはなんだと思う方もぜひ、HPやnoteをみてみてください。

よろしくお願いします。


あと、ムシキングが懐かしてくてムラムラしている人はぜひ下のリンクから飛んでみてください。めちゃめちゃアガりますよ。


フジタヨウヘイ


本もっとたくさん読みたいな。買いたいな。