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「自叙伝9 本当の優しさは厳しさの中」FM佐藤本部長 Vol.96

FMグループ社内報Vol.96【投稿者:佐藤本部長】

様々な社会人生活の中で気づいたことですが、会社は投資して伸ばしていく、それならば私も若いうちに投資していかないと大変なことになると給料のほとんどを自己投資に使ってきました。
しまいには、給料をはるかに超えることもありましたが、新車を買ってもあとは風化していくだけ、自己投資なら何か困った時には熟成したワインの価値が上るように、必ず自分を助けてくれるはずだと言う強い信念がありました。

そんな中、30歳のころ入社した会社で骨を埋める覚悟で、自分に重しを付る意味もありマンションを購入しました。
担当営業に「これ以上組めない目いっぱいのローンで買えるマンションお願いします」と、今では考えられないばかな条件でマンションを購入しました。

しかし、テレビドラマではないですが、その数年後オーナーが会社を売却し、新しい経営者の考えに付いていけない私の給料は50%カットとなり、その結果、20万近いマンションの支払いは6ヵ月の滞りとなり、執拗な督促と銀行からの呼び出しと、なかなかの楽しい日々が待っていました。

根本的な解決には収入を大きく上げるしかなく、呼び出された銀行担当者に「これから不動産仲介に転職します。必ず月5件家を売るので返済は問題ありません」と言い切って帰ってきました。
そして、いよいよこれまでの自己投資が本物かどうかを試すチャンスが来たと燃えに燃えていました。

しかし、その間も否が応でも追いかけてくる支払、少しでも早く収入を増やしたいと考えた私は、配属された店舗の部下思いの課長に「仕事のほかにアルバイトさせてください。一身上の都合で早く稼がないと厳しいです」と相談しました。
てっきり「わかった、大変なんだね」と同情してくれると思いきや「何がバイトだ、バイトする暇があったら家を売れ。バイトはダメだ」と一切取り合ってくれません。

家を売る自信はありましたが、契約しても決済しないとインセも入ってきません。
甘ちゃんだった私も初めて事態の深刻さに強い危機感を覚え、これを解決するには初月から家を売りまくるしかないと腹をくくりました。

あまりの鬼気迫る働きに、本来新人に頼んでくる仕事すら頼でくる先輩もなく、入社から半年は自分で何をしていたのか記憶がありません。
寝るのは睡魔で倒れる夜中、起きるのは週4日は会社のソファー、週1日はなぜか課長の家のベットの目覚め(くれぐれも今の時代ではまねしないでください)。

その結果、半年後に振り込まれた給与は3‥万を超え、滞納していた返済も完済し、年間の契約本数も60本を超えることができました。

この時の経験が間違いなく今につながっています。
あの時、アルバイトを許してもらっていたら今の自分はありません。その時は鬼に見えた課長は、やっぱり本当に自分のことを考えてくれていた優しい課長でした。

これだけは言えます。いつの時代になっても本当の優しさは厳しさの中にこそあるのではないでしょうか。

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